この10年来わが国流通業界全体を巻き込む構造変革が進展する中,日用雑貨・薬粧品の卸売業界でも,発展する全国小売チェーン店が求める「サービスの全国化・扱い商品のフルライン化」ニーズを受け,集約・統合化が加速されてきた。 従来の地域卸が次々に合従連衡し全国卸に生まれ変わっているのだが,その先鞭を切って02年,旧ダイカ,伊藤伊,サンビックの3社統合で誕生したノンフード業界初の全国卸が,株式会社あらたである(以後,徳倉ほか関連会社も順次統合)。
商流の統合と合わせ,車の両輪として不可欠になるのが物流ネットワークの統合・整備だ。とくに最大の市場である首都圏を最優先エリアに位置付けた同社で は,新会社設立に伴う初の大型プロジェクトとして,神奈川センターを統合前年の03年11月に稼働させている(本誌04年1月号で既報)。 続いて茨城のつくばセンター(東関東支店,99年築)のリニューアル,埼玉支店の新築(朝霞市,08年4月稼働),そして08年11月の千葉支店(市川市)稼働と駒を進め,首都圏に4拠点体制を作り上げたのだ 「合併時の関東エリアには,つくば・神奈川の2拠点以外,十数か所の小規模物流拠点が散在する状態でした」と同社経営戦略室・物流企画部物流開発課の大原康一マネージャーは話す。 「高精度なシステムを備えたセンター整備は,まだ不足していたんです。そこで埼玉・千葉の新拠点を構築して,ようやく関東の物流体制が整ったと考えています」 この4拠点から首都圏全域に対し,より短いリードタイムで,必要な商品を正確に・効率的に届けるのがその目的だ。千葉支店のカバーエリアは千葉全域に加え,西は湾岸沿いを都内大田区,川崎の一部までとなっている。 だがつくば,神奈川が「郊外型センター」であるのに対し,埼玉,千葉は「都心型センター」と,構築コンセプトは異なっているようだ。 「都心まで遠い郊外のセンターだけでは,高度化するお客様のニーズに応える配送機能が果たせないので,この2か所の都心型センターを設けることにしたんですが…」と大原氏は続ける。 「朝霞・市川は都心に近いだけにスペースコストが高く,短リードタイムのニーズも大きい。そのため省スペース・かつ高機能のシステム導入が不可欠でした。両拠点ではこれまでの経験を生かし最も効率的なピッキング・仕分けシステムを導入しています」 同社では全国各地の物流拠点・システムをそれぞれの立地,カバーエリアの流通・物流特性に合わせて設計している。中でも首都圏の都心型2拠点に求められる高度な物流ニーズを満たし,今後の競争力を確保するため,どんな工夫がなされたのか。
*この続きはマテリアルフロー7月号でお読みいただけます