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RCCニュースNo.35(2008年4月号)

発行;RYUKENマテリアルフロー研究センター

RCC雑記帳
少子高齢化時代の物流現場を考える

(株)流通研究社 営業企画・編集部長 吾妻芳行


最近,物流現場のオペレーションを担う人手が不足しているという話をよく聞く。これまであまりスポットライトが当たら

なかった物流が近年,経営戦略上重要な位置づけが与えられるようになってきたにもかかわらずだ。


経営サイドに立って物流を管理・指示する側と,実際にオペレーションを行う現場ではやはり感じ方が異なる。現場の

省力化が進んだとはいえ,いまだにいわゆる3K職場であるという認識が拭い去られていないのだろう。社員の定着は

もちろん,現実としてアルバイトの募集に苦戦し,物流企業がよりコストの高い人材派遣を利用しているケースも決し

て珍しいことではない。




一方,我が国の少子高齢化がさらに進行していくとの予測があることも見逃せない。国立社会保障・人口問題

研究所の推計(平成18年12月発表)によれば,現在の人口は1億2700万人台で,これが次第に減少していく

という。約17年後の平成37年には1億2,000万人台を,平成48年には1億1,000万人台を割り込み,そして平

成58年にはついに1億人を割るという推計だ。

問題は人口減少だけに止まらない。年齢別の人口構成比率の急速な変化こそが,将来のより深刻な状況を

物語る。推計では現在,0~14歳が13.3%,15~64歳が64.5%,65歳以上が22.1%といった構成比率だが,

平成37年には,0~14歳が10.0%,15~64歳が59.5%,65歳以上が30.5%となり,平成58年には,0 ~

14歳が8.9% ,15~ 64歳が52.6%,65歳以上が38.5%という比率になる。


高齢化を超えた「超」高齢化社会の到来である。さまざまな反論はあるかと思うが,この傾向に沿った将来を予

測する向きが多いというのが現実だ。





現在でさえ人手が不足している物流の現場にあって,こうした将来の厳しい現実とどう向き合っていくべきか。

答えはそう簡単に出そうもない。若年層雇用の妙手はなかなか見当たらないだろうし,外国人労働者の雇用は

さまざまな制約を伴う。そうなると,女性あるいは高齢者の雇用ということになるが,物流現場のオペレーション

は,前述の通り依然として肉体的な負担を伴うものが多く,雇用する企業もなかなかその割り当てに踏み切れな

いでいる。


こうした中,物流現場の設備であるマテリアル・ハンドリング機器によるさらなる省力化,自動化といったニーズが

顕在化してきたのも必然的な流れだろう。実際,こうした状況を追い風にしようと考えるマテリアル・ハンドリング機

器メーカーの戦略も浮上している。内需獲得ですでにメーカー間の激しい受注戦が繰り広げられている分野も

少なからずあるようだ。





一方,技術的に操作がしやすく,簡単な研修や訓練で使いこなせるかどうか,あるいはオペレーターや周囲の作

業者の安全性に対する十分な配慮が払われているかどうかといった点が,需要家の設備選択で重要な要素と

なる可能性もある。

中には,こうした事情を踏まえ,従来の製品開発の方向性を変化せざるを得ないメーカーも出てくるかも知れな

い。何かと悲観要素にとらえられる少子高齢化だが,それがビジネスチャンスにつながり,物流現場作業者の肉

体的・精神的負担の軽減につながるとすれば,その現実も決して悪いことばかりではなさそうだ。

新研究会発足のご案内
“これからの包装と環境保全推進”研究会,参加者募集を開始


近年,我々は地球の環境保全推進を従来以上に深く・厳しく考え,生活する必要が出てきました。物流で重

要な役割を果たしている包装についても環境保全を考慮した対応が必要となっていることはご承知の通りです。


理想的な包装は,物流段階の各機能(輸送・保管・荷役・情報・流通加工)を無事に経て,使用後は最終

段階で自然消滅(無害,エネルギー無し等)することと言われています。


現状ではもちろん,そのようなことは現実的ではないため,実際にはリサイクル等の考え方をベースとし,3R,ある

いは5Rへの取り組みを積極化するケースが顕在化しているわけです。

「包装は,物流の始まりから終わりまで」と言われるごとく,物流各段階で関与する各機能との関連(物流モジ

ュール,ユニットロード等)は広く,また深いものがあります。


新研究会では,この観点から包装を幅広く捉え,「これからの包装と環境保全推進」について論議・研究したい

と考えています。最終的には,その成果を本誌「マテリアルフロー」,および流通研究社の「セミナー・フォーラ

ム」等で発表・公表し,評価を受けたいと思っています。


研究会員は,あらゆる産業界の荷主,物流業者,包装業者,消費者,研究機関等から募ります。募集会員は

5~8名(定員に達した時点,もしくは2008年5月末日締切りRCC事務局までご一報ください)。活動期間は,

2008年6月から2010年5月までの予定です。リーダーは,後日,メンバーの中から協議のうえ決定いたします。

なお,研究会参加会員は年間1万円の会費をRCCに納めていただくことに決っておりますので,あらかじめご

了承のほど宜しくお願いいたします。(提案者:橋爪文彦)

受講生募集のご案内
流研BC合格支援塾今秋,第2期開講へ


厚生労働省の所管法人,中央職業能力開発協会(JAVADA)が企画運営・実施しているビジネス・キャリア

制度が07年に「ビジネス・キャリア検定試験」として全面リニューアルされました。


物流分野の科目も管理職としての専門能力を証明する「ロジスティクス管理」と,現場オペレーションについて

の専門能力を証明する「ロジスティクス・オペレーション」の2科目へと体系的に再編され,能力評価機能がさら

に高まりました。


流通研究社・マテリアルフロー研究センター(RCC,真島良雄所長)では,①物流人材育成に悩む多くの企業

が人事制度にからめてこの公的資格制度を活用する動きが拡大していくこと,②既存の物流関連資格になかっ

た「公的な専門能力資格制度」であること——に着目し,07年11月,同試験受験生の合格を支援する

JAVADA認定講座「ビジネス・キャリア検定合格支援塾」を開講いたしました。


おかげさまで企業・受講生の皆様より高い評価を頂戴し,今秋,第2期講座を開講する運びとなりました。第2

期は,これまでの「ロジスティクス管理3級」合格コース,「ロジスティクス・オペレーション3級」合格コースの通学2

コースに加え,「ロジスティクス2級」合格コース(認定申請予定),「ロジスティクス・オペレーション2級」合格コー

ス(認定申請予定)の通学2コースを設置いたします。

講師陣には,物流・ロジスティクスの専門家集団・RCCの荷主・物流企業・機器メーカー実務経験者を軸に,
著名コンサルタントを含む強力メンバーを布陣。検定試験合格はもちろん,「実務・実践」ベースで役に立つ指

導を行います。物流ビジネスパーソンの皆様と,経営・管理職の皆様に,参加検討をお勧めいたします。

また,上記の認定通学講座のほか,オーダーメードでの出張BC検定合格支援塾(4名様以上)も開設いたし

ます。JAVADA標準テキストを活用しての講義をベースに,こちらもBC検定試験合格を強力にサポートいたしま

すので,ぜひご相談ください。

認定講座ならびに企業等への出張講座の詳細は,事務局担当・吾妻(TEL.03-3988-2661)までお問い合

わせください。RCCは物流新人教育を積極的にお手伝いします。



ひ・と・こ・と

物流業界に新しく入社された皆さんへ——

ハード(物)だけではなく,ソフト(情報)も扱う「物流の世界」にようこそ!

かつて物流業界はハードを主体に扱う「物の世界」だった。数十年前,この世界は“経済の暗黒大陸”と表現さ

れたこともあったが,諸先輩方の不断の努力によって,今日,その評価は大きく転換された。

現在の物流業界の使命は,ハードだけでなく経営に資する情報戦略にも重要な関わりを持つ。物流に付随す

るソフトが知恵となり,ビジネスチャンスを生み出す原動力ともなる。

物流の世界は,時代とともに移り変わり,もはや“暗黒大陸”ではなくなりつつある。皆さんは,広く・深い物流の

世界で多くのチャンスを得るために,日々の学習・体験・実践等に励んで欲しい。(橋爪)


トピックス


真島所長が作品を絵画展に出展


RCCの真島良雄所長は2月16日から19日までの3日間,大田区民プラザで開催された第15回藤波会絵画

展に出展しました。

藤波会は藤浪成喜氏(一水会会員)を講師とする絵画サークルで,真島所長はかねてから夫妻で参加し,昨

年からは会長を務めています。真島所長は今回,「ヨットハーバー」など計5点の力作を出展しました。