2012年の物流政策展望
その4/経済産業省、国土交通省にきく
新年の物流政策シリーズ最終回は、国交省と経産省が中心になってまとめた総合物
流施策大綱(2009-2013)の3つのポイントから、「グローバル・サプライチェーンを支え
る効率的物流の実現」に関する施策の核心部分を抜粋します。
◆アジアにシームレスな物流システム
馬場﨑・・・国交省が軸となり、「日中間物流大臣会合」を06年から3回実施しており、
10年5月の第3回会合では北東アジアにおける(1)シームレス物流システムの実現、
(2)環境にやさしい物流システムの構築、(3)安全かつ効率的な物流の両立——の3大
目標に対する今後の取組方針について合意する共同声明を採択し、この12年夏に韓
国で第4回会合を予定しています。
現在、その推進に向けた具体的な取り組みの1つとして、「パレット輸送の効率化に関
する検討会」で国内物流における効率的なパレットシステム、アジアにおけるパレットシ
ステムの普及、国際輸送におけるリターナブルパレットシステムの普及、の3つをテーマ
に掲げ、議論を進めているところです。
「国内物流における効率的なパレットシステム」については、家電製造業の大手8社に
国内物流におけるパレット輸送の実態調査を行ったところ、保管では使っているものの
輸送ではパレット利用が特定品目などに限られ、共同利用がほとんど行われていない
などの実態が分かりました。
今後は家電量販店などと連携しながらパレットの共同利用、標準化、個体管理・回収効
率化のためのRFID活用、標準パレットに適合する包装モジュール寸法の検討などを進
めていきます。
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馬場﨑・・・ 「アジアにおけるパレットシステムの普及」については、日中韓・ASEANに
おけるパレット使用状況を把握し、アジアでのパレチゼーション普及はまだまだこれから
であるとの認識に立ったうえで、標準パレットによるユニットロードシステムを構築推進
するため、日本のJIS Z 0650「ユニットロードシステム通則」をもとに、同様の通則をア
ジアに導入するための原案作成を進めています。
本通則は1100×1100mm標準パレットを使用する際の荷役・保管機器設備の適切な
選択・使用や輸送包装の寸法等、体系的なユニットロードシステム構築のための基準を
定めたもので、これにアジア・パレットシステム連盟(APSF)がアジアの国際標準パレッ
ト規格として決定したもう1つの寸法、1200×1000mmの体系を加えます。APSFで承
認されればガイドラインを制定し、各国で通則に合わせた物流体系を整備していきたい
と考えています。
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馬場﨑・・・また「国際輸送におけるリターナブルパレットシステムの普及」については、
荷主企業260社に輸出入におけるパレットの利用実態を調査し(67社が回答)、輸送量
ではパレット積み貨物が60~85%を占めるものの、輸出後は7割以上がパレットを廃
棄しており、リターナブル利用はごくわずかであることが分かりました。
廃棄物削減・環境負荷低減に向けパレットの国際リターナブル運用を推進するために
は、アジア各国で利用できるリターナブルパレット運用システムの構築、リターナブルパ
レットの免税手続き簡素化、パレット寸法と品質の標準化などが求められています。
日韓両国の間ではすでに1100×1100mmを標準パレットとすることで合意し、国際的
なリターナブルパレットシステムの取組みが始まっていますが、中国、ASEAN各国に普
及するには至っていません。
パレットの直接のユーザーは物流事業者であり、それを所管する本省としても国内・国
際の両面においてパレットの問題を重視しています。今後も東アジアに普及させるため
課題・制約の改善検討を進め、息の長い努力を続けて行くつもりです。
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本誌・流通研究社でも本年7月、以上の政策テーマに直結する「アジア・シームレス物流
フォーラム」を開催予定で、経産省・佐合課長、国交省・馬場﨑課長にも講演を頂くこと
になっています。詳しくは本サイト上で間もなくお知らせしますので、皆さん楽しみにして
下さい。
(次回につづく)