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Column 「ちょっとマテフロ」

RFIDのアメリカン・テイスト


その7/米視察ドタバタ紀行・シカゴ編(上)




米国RFID・物流視察紀行、本編に戻ります。今回はシカゴ近郊に訪ねた米国オムロン

での見聞と、思わぬアクシデントに見舞われた一行の、手に汗握るアドベンチャー・ス

トーリー(?)を上下に分けて……。





大手制御機器・電子部品メーカーである、オムロンの名を知らぬ方はありますまい。同

時にオムロンは、既に国内では20年以上前からFA分野でのRFIDリーダライタ、RFタグ

製造販売を推進してきた、老舗のRFIDベンダーです。


近年のブームで初めてRFIDを知った人や企業には、今でもRFIDを新登場の新技術と

思っているケースが少なくありませんが、製造業では1980年代から使われてきた技術

であり、同社はそれを支えるベンダーの1社だったわけです。


同社はその後FAから物流・流通その他の分野にRFID事業を展開するとともに、2005年

にはUHF帯RFIDに参入。その最有力市場として期待される北米顧客の開拓を目的に

米国法人の事業を拡充、合わせて中南米市場にも展開しているそうです。


もちろん日本国内で同社の技術・製品を知ることはできるのですが、米国でRFIDビジネ

スを本格展開する唯一の日系ベンダーとして、日本には必ずしも正しく伝わっていない

米国のRFID最新事情を現地担当者に直接、詳しく聴ける(しかも日本語で日本人の関

心に合わせて)というので、訪問することにしました。


*             *


視察団一行はメンフィスからお昼前にシカゴに到着、空港から1時間ほどの米国オムロ

ンに向け北西に走る途中、日本人向け大型ショッピングモールがあったので、立ち寄っ

て昼食。この近辺には日本企業・日本人関係者が多いということで、フードコートにはお

寿司や蕎麦・うどん・ラーメン・丼と日本食が何でもあり、日本の食材その他を揃えた

スーパーや書店・酒屋、お菓子屋までありましたね。


*           *           *


で、到着したオムロンでは、まさに期待した通りの話を聞けました。まず99年のオートID

センター設立以来、今日に至る一大ムーブメントを巻き起こしたEPCglobalチャレンジの

流れを、流通分野中心に紹介。


ウォルマートほか大手小売業のRFタグ装着要求により流通市場の立ち上げが先行し

た後、技術の成熟と価格低下進展により、社内などのクローズドなアプリケーション中

心に市場は健全に拡大中で、そのほかアクセス管理、アセット管理などセキュリティア

プリも拡大しているとのこと。


次にウォルマート・マンデートと対応状況について。現在上位サプライヤ600社にタグ貼

付を要求しており、ウォルマート側でも08年初頭までにRFID対応店舗を300店追加し、

計1300店に拡大予定。また系列のホールセールス店舗チェーン、サムズ・クラブでも40

店舗でパレットタギングを開始している。


さらにその他の動きとして、ベストバイ、ターゲットなどがパイロット事業を継続、米国国

防総省でもRFID導入物流センターを17か所に拡大しているなどの現状が紹介され、休

憩後には、次回に紹介するデモに移りました。


*       *       *       *


やはりRFIDベンダーの立場からすれば、その市場動向を楽観的に紹介していると言う

ことはあったかと思います。つまり「米国RFID市場は健全に成長中」というメッセージが

強調されていたのですが、ジェネスタ社の社長が停滞傾向を認めていたこと、前に書い

たようにウォルマート店舗でも余り動いていないような雰囲気であったことなどを総合

し、帰国後に米オムロン担当者にも重ねて取材し、編集部としては概ねの現地事情が

見えてきた気がします。


そのあたりの視察と分析結果について、インターメック、ジェネスタ、ヒューレット・パッ

カード分は月刊「マテリアルフロー」2月号で紹介すべく、現在執筆中。続いて米国オム

ロンとウォルマート店舗、そして本コラムのシリーズ最期にご紹介するベビーカーメー

カー、ペグ・ペレゴの内容は同3月号で、多数の写真・資料とともに詳細レポートを掲載

する予定です。ぜひご覧下さい。


さて、この後です。一行が、予想だにしない事態に巻き込まれることになるのは。


(次回につづく)


月刊マテリアルフロー 編集長

菊田一郎