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RFIDのアメリカン・テイスト(9)
08/01/29
Column 「ちょっとマテフロ」
RFIDのアメリカン・テイスト
その9/米視察ドタバタ紀行;ペグ・ペレゴ編(上)
米国RFID・物流視察紀行も、そろそろ終盤。今回はシカゴの300kmほど東にあるベビー
カーメーカー、ペグ・ペレゴ社のウォルマート向けRFIDタギング現場へ。中堅企業の取
組みは以外や本気、あっぱれものでした。
*
あの、高速道路バス故障・救援脱出事件(なんて大げさな…前回コラムを参照下さい)
の翌日です。往復700km近い日帰り長距離移動に備え、今度は新鋭大型バスをチャー
ターした視察団一行は、7時にシカゴのホテルを出発、国道を東に向けてひた走りまし
た。イリノイ州から隣のインディアナ州に入るところで、中部時間から東部時間へ時差
が1時間。時計を進めます。
国内で時差、という概念は日本人にはなく(せいぜい日の出・日の入り時刻の違いくら
いか)戸惑うのですが、西部シアトルから中部ダラスへの移動では2時間の時差があり
ました。国内で3時間違う、それほど広い国という事実が、こうして実感されます。
走っても走っても、なだらかな平原を道は続く。よくCMに出てくるような「地平線まで真っ
直ぐ続く荒野の道路」とは、緩やかなカーブ、木々、林、丘が散見される点で少し違って
いましたが、同じくアメリカ的な平原の長距離移動を体験できたのも、まあ収穫。
たまに道を行き交うのはほとんどがロジスティクス会社の大型トラック、トレーラー。ドラ
イブインで休憩すると、いかにもアメリカ顔をしたいかついトラック達が、駐車場にズラり
と並んでいます(写真)。この国の男達に今でもたぶん、カウボーイハットの似合う心意
気が伝わっているであろうことが、妙に納得できました。
* *
東部時間午後1時前に到着したペグ・ペレゴ社(フォートウェイン工場・物流センター)
は、1949年創業のイタリアのベビーカーメーカー。ベビーカーと言っても、赤ん坊を乗せ
て押す乳母車というより、幼児が乗って走る、それもバッテリーとモーター付きで自走す
る大型玩具が中心アイテム。たとえば日本でもおなじみの「機関車トーマス」にまたがっ
て走り回れる、といったもの。
自分の子育て経験の範囲では国内でこうした自走タイプを見た覚えがありませんが、
今ならトイザらスあたりには置いてあるのか、安全規制で扱えないのか知りませんが、
あれば日本の子ども達も喜ぶこと請け合い(ただし狭い部屋では無理だし、走り回れる
環境がありませんかね)。ちなみに1台単価は3万円くらいです。
同社は従業員1500名の非上場企業で、ウォルマートへの上位商品サプライヤーとし
て、ベビーカー分野では一番初めにRFタギングを開始したとの由。
* * *
初めに在庫管理部長のアイスさん(ドイツ系の名前だが実はアイルランド系のアメリカ
人)ほかから会社概要とRFIDの活用状況、システム構成などのプレゼンテーションを受
けたあと、工場の生産ライン、隣の物流センター棟への出荷、センターでの保管・出荷
工程をじっくり視察しました。
詳しいレポートは、まだこれから作成する月刊「マテリアルフロー」3月号に掲載する予
定なので、ざっと要点だけを述べましょう。生産ラインの組み立て工程の中ではRFIDを
まだ使っていませんが、製品が完成し、洗濯機サイズほどの大きな段ボールケースに
梱包した直後、RFタグを自動貼付けし、コンベヤライン末端へ。
これを大男達がぐいっと持ち上げ(1台30~40kgくらいで、とても日本では考えられない
オペレーション)手作業でパレタイズ。手巻きラップで荷崩れ防止処置してから、フォーク
リフトで搬出、物流センターへの出荷バースでは2セットのゲートリーダを通して、RFIDで
自動検品・出荷実績情報を取得します。
いったんトラックに積んで、隣接する配送センターへ入庫。そこからオーダーを受けて
ピッキングしウォルマートに出荷する際、再びゲートのリーダでRFタグを自動読み取りし
ていました。
さて、手作り生産ラインを見る限り、どこにでもありそうな中小玩具メーカーとも見えたペ
グ・ペレゴが、これらのRFIDシステムをどう活用しているのか。よく聞いてみると、意外
にも、大手企業各社に負けないくらいの本格的な運用システムになっていることが分
かったのです。
(次回につづく)
月刊マテリアルフロー 編集長
菊田一郎
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