08/4/7
Column 「ちょっとマテフロ」
物流クレート標準化・共用化とRFID
その2/まず標準化、次に共用化、そして~ (219)
「通貨」と同じように、「両替」なしで、しかも「共有物」としてパレット、コンテナ、クレート
がサプライチェーンを流通できれば、物流効率は間違いなく向上します。その上、
RFIDで動きを見える化できれば‥‥。
*
(承前)こうして日本スーパーマーケット協会の物流システム委員会(下記協議会座長
の西村氏が当時、委員長となって活動開始)では、勉強会・ミーティングを重ねて物流
クレート標準化に向けた活動を始めることを決定、日本チェーンストア協会と共同で
「物流クレート標準化協議会」として新たに組織化し、スーパー・GMS業界として運営す
る枠組みを2005年に立ち上げました。
同協議会では議論を重ねて問題点を整理し、活動の目的を
(1)物流クレート規格の「標準化」
(2)標準化された物流クレートの「共有化」
の2段階で設定しています。
ここで注意が必要なポイントは、使用するクレートの規格が標準化できれば、積重ね・
積合せなど、マテリアルハンドリングは確かに効率化できる。ところが、それらがベン
ダーや小売業各社の「私有クレート」のままであっては、結局企業別に分別し・返却す
る手間は残されたままで、真の効率化には至らない、ということです。
だから標準化したクレートは、各社の所有物とせずに「共有化」することにより「共用
化」(今回の経産省事業ではより広い意味を持たせるためでしょう、「共用化」の語を
使っています)を実現し、一括・統一管理を可能とする。それによる現場作業と管理の
効率化はもちろん、必要数量のみ繰り返し共同利用することでクレート資源のムダを
削減する、また積載効率向上によるトラック輸配送回数・距離の削減などで、環境負
荷低減に資する「循環型物流システムの構築」を目指すことにしたのです。
* *
前回紹介したように同協議会がまず標準化した「食品クレート標準Ⅰ型・Ⅱ型」は、第
1段階として、和日配食品(豆腐、油揚げ、こんにゃく、漬物、麺など)用に決定した規
格。ただし、以下のようなサイズで、他のカテゴリーにもかなり汎用的に使えるもので
あるようです(他にも品質・形状などを規定)。
◆食品クレート標準Ⅰ型 外寸587mm×368mm
◆食品クレート標準Ⅱ型 外寸557mm×459mm
*高さは各108mm、148mmの2種類
*Ⅱ型にはハーフサイズ(459×273mm)を設定
この標準クレートはその後、サンコー、岐阜プラスチックなど容器メーカーが金型を起
こして生産を開始しており、ライフコーポレーションが既に実用を開始、九九プラス他
の協議会メンバーも導入準備を進めています。さらに両標準クレートについては08年
度中に効率的運用案を策定し、09年4月に協議会での共有化を開始する計画となって
います。
和日配品に続いて対象商品・カテゴリーの拡大を目指し、導入時期・方法などを検討
中で、将来的には全ての商品用クレートの規格を標準化する方針とのこと。
* * *
前記の通り、標準化・共用化の暁には、「RFIDによる効率的管理の実現」が将来像と
して想定されています。しかし現実にはまず標準化、共用化の2点だけでも、本業界で
はこれまで誰も実現できなかった課題であり、様々な高いハードルを越える必要があ
りました。
それ以上に多様な技術的・システム的課題が予想されるRFID導入実現まで、すべて
協議会の枠組で同時にこなすことは、現実的でないと言えましょう。
そこに今回、近未来の新技術利活用を支援する経済産業省の政策的役割が、ずば
りフィットしたように思います。経済産業省の事業として国費を投入し、業界でまとまる
民の挑戦を官が支える、という図式が機能した好事例ではないでしょうか。
(次回につづく)
月刊マテリアルフロー 編集長
菊田一郎
バックナンバー
ご意見・ご感想
|
ご意見・ご感想はこちらからお願いいたします。
|
 |
|