08/4/15
Column 「ちょっとマテフロ」
物流クレート標準化・共用化とRFID(220)
その3/共用化の「スタイル」を検討する
繰り返し利用する物流容器・資材を複数企業で「共用化」しようとするとき、それを誰が
どんな形で所有し・使用し・課金するか、その枠組み設定が大きな課題。今回の取組み
ではどんなスタイルを考えたのでしょうか。
*
実はそうした「共用化モデル」を構築し合意することは、構想実現の最大のカベの1つ。
なにせもっとも利害が絡むところなので、物流クレート標準化協議会でも最初の標準案
決定のあと、主要な論点になっていました。
これを受け、RFID管理システムモデル構築を志した平成19年度経済産業省事業「日配
分野等における物流クレート共用化に関する電子タグ実証事業」においては、物流ク
レート用RFタグに書込むコード体系などRFIDシステム標準案とともに、「共用化」の運用
スタイル・仕組みについても、実現可能性が具体的に検証・追求されています。
RFIDシステムについては今回、EPCglobalのClass1 Generation2(Gen2)規格をベースに
国際標準化されたISO 1800-6のタイプC規格に準拠した、UHF帯を採用。タグに書込む
情報は、GRAI(Global Returnable Asset Identifier、容器・コンテナなどリターナブル資産
についての国際標準IDコード)としたようです。「EPC・国際標準準拠」は、 EPCglobalに
自ら参画しているわが経産省RFID事業の基本方針ですからね。
その上で「共用化モデル検討分科会」を設置、共用化した標準クレートの運用スタイル
としてまず、物流クレート標準化協議会が整理していた次の4パターンを例示しました。
<パターンA>基本型‥‥レンタル会社デポで洗浄
<パターンB>小売センター洗浄・管理型
<パターンC>ベンダー洗浄・管理型
<パターンD>小売センター洗浄・ベンダー洗浄混在型
* *
共用化のためには、ベンダーでも小売でもない第3者として、クレートを所有し・運用す
る容器資材レンタル会社を介在させることが、共通した立脚点となります。
その上で次のポイントは、「クレート洗浄」をどこで行うか。それによってこれらのパター
ンに分けています。現実にはベンダー、レンタル会社、小売のいずれが洗浄を行う例も
みなあるようです。
物流クレート標準化協議会の西村武英・九九プラス物流管理部長はこの考え方につ
いて「洗浄した時点でレンタル料金を課金する運用が基本になります」と説明していま
す。
「ただし実運用を考えたとき、ベンダーが洗浄する形態(パターンC、D)まで含めると話
が余りに複雑になるので、今回はA、Bの2パターンに絞って検証することになりまし
た」その結果、今回はレンタル会社デポで洗浄する<パターンA>と、レンタル会社か
らクレートを借出した小売業が自社センターで洗浄する<パターンB>とで各 2つず
つ、計4つの実験を設定、本年1月中旬から3月初めにかけ、大阪・京都など近畿地方
各地の現場で行われました。
* * *
実証実験に参加した小売業と実験現場は、イトーヨーカ堂(大阪生鮮センター=茨
木)、イオン(関西プロセスセンター=京都)、ライフコーポレーション(南港物流セン
ター=大阪)、九九プラス(高槻チルドセンター=高槻)の4社・4か所でした。今回は関
西でまとめて実施したわけです。
和日配食品ベンダーとしては、但島屋食品、さとの雪食品、若草食品、オーカワの4
社。卸売業としては、北部市場運送、近畿明販、ロジスティック・ネットワークが、ク
レートのレンタル会社としては三甲リース、流通システムパートナーなど、加工食品の
サプライチェーンを担う各層の企業が、こぞって参加する枠組みとなりました。
4つの実験のうち、わが月刊「マテリアルフロー」では座長企業である九九プラスの高
槻チルドセンターでの現場の模様にがぶり寄って、マテリアルフロー4月号に詳細なレ
ポートを書いたわけです。
この現場は洗浄機能を小売センター側が持つ<パターンB>の運用ですが、同じBで
もライフコーポレーションの場合、物流センターにはベンダーが商品を受注に応じ店
舗別・カテゴリー別にまで仕分けた上、納品しているので、センターでは積み替えせ
ず、納品クレートのまま積み替えなしに店舗に配送します。
これに対して、九九プラス高槻チルドセンターでは、ベンダーからその日の各店舗向
け商品の発注総量がまとめて標準クレートに入れて届くので、センターで店舗別・カテ
ゴリー別に仕分け作業を行いますが、この際、別の標準クレートへの積み替えが発生
する、というクレート運用の違いがあります。
このあたり、ベンダー・卸業と小売側の契約条件によるわけですが、仕分け済み納品
ではセンターの作業負担がない代わりに、納品時間がその分遅くなるなど一長一短も
あるとか。作業負担の違いは、センターフィーなどで調整されるわけですね。
(次回につづく)
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