08/6/2(226)
Column 「ちょっとマテフロ」
ロジスティクス人材開発の新たな選択肢
その3/新BC検定試験の特長
物流人材開発のテーマに戻って、今回は新ビジネス・キャリア(BC)検定試験、ロジス
ティクス管理・オペレーションついて、カリキュラムと試験の特長などを紹介していきま
しょう。間違いなく「新たな選択肢」だと思います。
*
初めに、ビジネス・キャリア試験の旧制度との比較です。その主な見直しポイント
は……。
◆試験のコンセプト
<旧>認定講座修了者を対象とした「教育訓練の成果確認試験」
→<新>ビジネス・パーソンを対象とした「実務能力を評価する公的資格試験」
◆試験内容
<旧>狭い領域の専門知識を知っているか
→<新>幅広い専門知識を基にして実務的な職務遂行能力があるか
◆試験の構成
<旧>ユニット試験(初級・中級)10分野・140試験単位
マスター試験(上級) 6分野・10試験単位
→<新>検定試験(1級、2級、3級)8分野・45試験単位
*物流・ロジスティクス分野は細分化した科目を実務に合わせて大括りし;
・ロジスティクス管理2級/3級
・ロジスティクス・オペレーション2級/3級 の4単位に
◆受験資格
<旧>原則、認定講座修了者
→<新>受験制限なし
◆学習用教材
<旧>教育訓練機関が独自にテキスト開発
→<新>JAVADA(試験実施機関)が「標準テキスト」を開発・発行
* *
上の中でも、「標準テキスト」の策定は、「公的検定試験」の品質、品格を規定する大
変重要な条件だと思います。これが新カリキュラムを体現した唯一・共通の教材とな
り、試験問題も、基本的には全てがこの内容から出題されます(もちろん応用問題は
あり)。
旧制度ではカリキュラムの骨格は定められていましたが、具体的な教育内容、テキ
ストは認定教育機関や講師が独自に開発していたため、講習内容の統一性・標準
性・客観性には課題がありました。現在の業界団体の資格試験も同じ問題を抱えて
います。
今回の新カリキュラム策定に当たってJAVADAは、「公正な能力評価基準」確立に
向け、有識者による専門委員会を設置し、厚生労働省の施策に基づく公的な「試験基
準」とすべく体系的・総合的に再編。詳細な学習項目を定めた「ガイドライン」を策定し
た上、執筆チームに他の専門家の参画を仰いで、これに基づく「標準テキスト」を今回
初めて策定、唯一の主教材としたのです。カリキュラム・ガイドラインと試験の内容に
ついては、JAVADAホームページ http://www.bc.javada.or.jp/ にかなり詳しく紹介さ
れていますので、ご覧下さい。
このテキスト、従来ありそうでほとんどなかった、わが国でも初めての「ロジスティク
ス・物流全般を体系化した基礎的教材」と言えるのではないでしょうか。それだけに企
画・監修・執筆者の苦労もひとしおだったようです。詳細に吟味してみると、まだ記述
内容にミスや課題も残っているようですが、それ自体は果敢なチャレンジとして高く賞
賛されるべきものと思います。
* * *
このように、わが国で初めて、ロジスティクス・物流分野で標準カリキュラム、テキスト、
検定試験というシステムが確立されたことの意味を、改めて考えてみましょう。
まず、それは国が整備した職業能力評価基準に準拠した「公的検定試験」であり、ロ
ジスティクス・物流の職務遂行に必要な専門的・実務的な知識・能力を、客観的かつ
公正に評価できる制度であることが、最大のポイントでしょう。
企業間でも、立場が違っても、「私はロジスティクス管理2級です」と言えば、全く共通
の能力基準として、通用・評価できるのです。たぶんこれから、名刺への添え書きも広
まっていくでしょう。
さらに企業側では、これを段階的かつ計画的な職業能力習得の目安として、ロジス
ティクス・物流人材開発に活用し、人事制度と直結させて係長職・課長職の必要事項
に設定するなどの対応において、他の検定に比べはるか精度が高いシステムとして
積極的に活用することが可能になると思われます。
(次回につづく)
月刊マテリアルフロー 編集長
菊田一郎
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