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08/07/01(230)

Column 「ちょっとマテフロ」

ヨーロッパ物流・RFID紀行2008

その3/独セマットでみたグローバルトレンド


先回のコラムでその背景・概要を説明した,世界最大のイントラロジスティクス展示

会・セマットについて,今回より実際の展示内容を見ながら,そこに感じられた新しいト

レンドは何か,いくつかの例を挙げつつ順に考えて行きたいと思います。





ポイント1/多品種少量物流システム

やはり第一のポイントはこれでしょうか。わが日本では80年後半からすでに20年以

上,「物流の多品種少量化」が言われ続けてきたので,今さら感が強いかも知れませ

ん。確かに世界広しと言えども,日本ほど多品種少量を当たり前の与件・前提として

物流・流通システム(構内・構外とも)作りが行われ,現場で実際に対応している国は

ないと,全世界の物流を検証してはいませんが欧・米・中と見て回った結果を敷衍し

て,確信を持って予想できます。

経済産業省では「日本のサービス産業、とくに流通業の生産性が国際的に見て低い,

何とかせにゃならん」と新流通政策を打ち出していますが,まるで違う流通サービスレ

ベルをきちんと反映していない数字で比較しても,それはちょっと違うんじゃないのか

と,常々首をひねっているのですが。

で,なぜ今さら欧州で多品種少量物流システムなのか。これにヒントをくれたのが,こ

のセマットレポートを載せるのと同じ号の,わが月刊「マテリアルフロー」7月号(本日

発売)に掲載している,米ヴォコレクト社・バイフォードCEOのインタビューです。

同社は音声ピッキングシステム(ハンディ端末の代わりにヘッドフォンからの音声指示

でピッキング・応答,手も目もフリーにでき効率と正確性が上がる)の世界リーディング

企業で,ウォルマート,メトロほか世界の大手各社を初め,中・東欧,南米,アジアな

ど新市場にも市場を大きく広げています。

市場グローバル化についての筆者の問いに,バイフォードCEOは「グローバリゼーショ

ンがロジスティクスに対するニーズをより高度にしている。成功企業の多くは物流を小

口化させ、出荷件数がどんどん増えている」と指摘しました。

なるほど,SCM志向の戦略的グローバルロジスティクス管理の核心は,下流の販売

動向にいかに生産・物流を同期させ,最小かつ十分の在庫でビジネスを回すかにあり

ます。その具体的実行戦術は,多品種少量(必然的に多頻度)物流にある,というわ

けです。

*           *



国内にとどまらず,世界最適生産・調達のネットワークにおいて物流効率化を考える

には,文字通り地球全体を俎上に載せて最適化の可能性を追求する必要がある。だ

から余りに繊細でわがままな消費者ニーズに応えてのわが多品種少量対応と,現今

のグローバルトレンドは,一見同じようで,少々質の違うものである気もします。戦略

的視点が。

しかしこうした背景で,どうやら欧米でも改めて多品種少量物流に対応するイントラロ

ジスティクス・システムが求められているらしい。

セマットでそのトレンドを感じさせてくれたのは,何と言っても今や世界最大のマテリア

ルハンドリングメーカーとなったSSI SCHAFER社のブースでした。多分,東京ビッグサ

イトで言えば東展示場の1館の半分,いや3分の2近くを1社で占めたとんでもない広さ


のスペースを確保し,総合展示を繰り広げていました。細部は撮影禁止だったので,

外観だけ写真をご紹介しておきましょう。

 

上の観点で特に注目されたのが,Schafer Case Picking;SCPと呼ばれるフルオート

メーションシステムです。自動倉庫とコンベヤ、ハンドリング機器,そして緻密なソフト

を連動させ、ケース保管・ピッキング・パレットへの混載パレタイズを全面自動化する

という,圧倒的なシステム展示でした。同じ商品を1パレット単位でまとめたまま,出荷

し運ぶという流通スタイルは,欧州でも牧歌的なものになっていくのでしょうか。


*         *         *



このほか,機種としてまったく新たな物ではありませんでしたが各種の仕分け装置も

健在。単品ピッキングシステムでは,KNAPP社が袋物やペットボトルも切り出し可能な

新製品を出していました。

自動倉庫でもパレットものは目に付かず,ほとんどがケース単位のミニロード。初め

てセマットに単独出展した日本のダイフクなど数社が展示。中にはラック各段に入出

庫ドーリーを備える高速タイプの新機種として,BEEWEN社がファンデルランデ,

SAVOYAなどと共同開発したクイックストア・HDSを出展していました。

詳しくは前述の通り「マテリアルフロー」7月号で,カラー写真付きレポートをお送りし

ているので,ぜひご覧下さい。






(次回につづく)






 




月刊マテリアルフロー 編集長

菊田一郎



 

 


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