08/07/08(231)
Column 「ちょっとマテフロ」
ヨーロッパ物流・RFID紀行2008
その4/独セマットで探したRFID展示
ドイツのイントラロジスティクス展示会・セマットの内容について、主催者側の出展ポイ
ントに挙げられ、視察テーマの半分でもある、RFIDの応用提案はどうだったのか。わ
れわれは期待を込め、広い展示会場を歩き始めました……。
*
◆RFID応用システム展示
構内ロジスティクス、流通全般の効率化・高度化ツールとして世界中がチャレンジを続
けているRFIDについて、世界最大の専門展示会ではどんな扱いをされ、どう位置付け
られているのか。そこには少なくともドイツ産業界の姿勢の一端が示されるはずだろう
と、筆者も注目していました。
マテハン関係でもまだいくつかご紹介すべきトピックはありますが、やはり本コラムの
読者の皆さんの関心が高いRFIDについて、あまり出し惜しみせず、先に取り上げるこ
とにします。
朝10時半近く、最初に紹介した日独交流ミーティングを終え、午後5時までに全会場を
一通り回るべく、取材をスタート。世界最大規模、というのはなかなかに半端ではなく、
1つの展示館が、感覚的には東京ビッグサイトの東1~3館を合わせたくらいの広さ
で、それが野外・半野外展示場を含めると5つ分くらい(それでもハノーバー展示会場
全体の4~5分の1程度)。これでもか、というくらいにイントラロジスティクスに関連す
る、実に多様な製品が並んでいます。
* *
われわれは倉庫技術、つまり自動倉庫関連など倉庫内の保管システム機器の展示
館から、順次、搬送関連、車両関連、包装・ロボティクス関連、と言った順序で見て
いったのですが、午前を充てた倉庫技術の展示館では、どうもRFIDの姿が見えませ
ん。前回05年のセマットでは、当時世界一のマテハンメーカーだったシーメンスも、
RFID応用システムを展示して期待感を醸し出していたのですが。
午後になって1件、ゲートリーダとRFタグを控えめに出していたブースがようやく見付か
りましたが、当たり前の極くシンプルな展示だし、どうも熱が入っていない様子。
その次に車両関連の館で発見したのが、Solcon社の展示。フォークリフトにバックカメ
ラのほかローカルポジショニングシステムを搭載し、通路をフォークリフトが近づくと周
りの作業者が携帯する小さな子機にアラームを出し、注意・安全を呼びかけるシステ
ム。なるほど、フォークリフトへの巻き込まれ事故から作業者を守る仕組みなわけで
すね。聞いてみるとISOの安全基準に適合した取組の一環である由。
これは臭うぞと思ってよく見ると、やはり前方には
RFIDリーダを装着しており、ラックに
置いた荷のタグを読む、という展示になっていまし
た。つまりフォークリフトのインテリ
ジェント化提案、ということのようです(マテリアルフ
ロー7月号参照)。
ただこの展示も、実際にフォークリフトとリーダを稼
働させてはおらず、置いてあるだ
け。RFIDも筆者のように期待して探すのでなければ
気付かないくらいの、付加的アイ
デアの一例、的な扱いでありました。わが視察メン
バーもほとんどの人が見過ごして
いたようです。
* * *
う~ん、これはどうも、前回に比べRFIDの扱いが小さいぞ、どーいうことなのか……な
どと自問しつつ、以前から傷めていた首・肩・腰の疲れを休め休め、展示館を順次カ
バーしていきます。幸い好天で暑くも寒くもなく、外に出れば爽やかな初夏の風にあた
れるのがまことに救いでした。
さて広い広いフォークリフト系の屋内・そして屋外展示場をぐるり回って、最後にとって
置いたのが(集合場所の関係でたまたまそうなった)、期待の包装・ロボティクス関係
の展示館です。
包装エリアでまず、「RFID」の文字を初めて発見。「あったあった」と皆でラベリングマ
シンのブースに立ち寄って話を聞いてみました。すると担当者氏、「え、これ? い
やーここのマシンにRFIDは組み込んでないよ」「じゃ、なんでRFIDなんて表示を貼るの
か? だって、“RFID”ってうたっとけば注目してくれるかなって。はは」(筆者の意訳によ
る)
本当にRFIDタグラベルの1枚も置いてないようで、これにはさすが、ちょっとがっくり
きましたねえ……。ところが、最後の最後に、私達はようやく、探していた展示を発見
することになるのです。
(次回につづく)
月刊マテリアルフロー 編集長
菊田一郎
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