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08/08/19(236)

Column 「ちょっとマテフロ」

ヨーロッパ物流・RFID紀行2008

その9/メトロ・カウフホフのRFIDシステム


 


 お盆休みも北京が熱い毎日でしたが、いよいよメトロ ガレリア・カウフホフの紳士服売

場で目撃したRFID活用の実態について、要点レポートをば。百貨店のワンフロアほとん

ど全部の単品商品にRFタグが付いていたのは、実に壮観でした。





  ロジスティクス工程での作業効率化・管理高度化に加えて、店頭顧客サービス向上へ

のRFID導入効果を追求するため、スーパーマーケットの実験店フューチャーストアとは

別に、07年9月、メトログループの百貨店チェーンであるガレリア・カウフホフは本格的

な実運用実験を開始しました。実質的には「百貨店版フューチャーストア」と言えるも

の。視察団一行は、その舞台となったドイツ中南部のエッセン駅前店を、前回紹介した

2代目フューチャーストアのオープン翌日にあたる、5月29日に訪れました。店の規模

は、確か8階建てくらいで、まさに日本の中堅都市駅前の百貨店と同じ感じの建物で

す。

同店では4階(現地表記では3階)の紳士服売り場8,500㎡に陳列する、代表2ブランド・約

3万点の商品にアイテム単位でEPCglobalのGen2規格で全数RFタギングを実施。タグ自

動読み取りによるバックヤード作業効率化・管理高度化に加え、より便利でエキサイ

ティングな先進的顧客サービス実現で、顧客満足度をさらに高めようとしているのです。

現場運用の詳細な様子は月刊「マテリアルフロー」8月号をご覧頂くとして、ここではメト

ログループ・インフォメーションテクノロジー社のニコラちゃんの話をもとに、その概要を

紹介しておきましょう。


スマートシェルフ

店頭の陳列平棚にRFIDリーダを設置、手に取った商品の関連情報をディスプレイに

表示するもの。商品のタグを常時読取り、顧客が商品を手に取ってタグが読めなくなる

と、その商品の関連情報(素材・価格・取扱注意事項、色・サイズ別在庫状況、お薦め

コーディネート情報など)をディスプレイに表示します。

フューチャーストア以来メトロが検証してきた用途で、日本の実証実験でもこれに倣って

靴、アパレル、書籍など各業界で繰り返しトライされてきました。ただし商品情報の提供
 
は対象品目が多いほどコンテンツづくりとメンテナンスが大変で、日常的に継続してい
 
る例はまだ聞きません。
 
 
スマートミラー
 
大型マジックミラーで、前面に商品をかざすとRFタグを読取り、前記同様の商品関連
 
情報を映し出す。鏡面はタッチパネルになっており、様々なコンテンツを見られます。こ
 
のスマートミラーはイニシアティブのメンバーなどと開発したもので現在、独メトロ、英ハ
 
ロッズなど世界で4台しか使われていないそうです。
 
 
スマートドレッシングルーム(試着室)
 
試着室の壁面にリーダを設置、顧客が持ち込んだ商品タグを読取り、やはり商品情報
 
をディスプレイに表示します。1度に3着まで持ち込み可能で、それぞれの商品情報を交
 
互に確認可能。試着してみて、違う色やサイズがないかと思ったら、画面ですぐ在庫を
 
検索でき、いちいち店頭に戻る必要がないのがポイント。
 
 
各所のRFIDリーダ設備
 
1階の商品搬入ゲート、3階のバックヤードから店頭へのゲート、レジ、エスカレータ出入
 
口などにゲートリーダを設置し、商品の通過実績を自動取得。またハンディリーダライタ
 
で在庫管理などの作業を効率化しています。
 
入荷する対象商品へのタギングは、中央物流センターで作業済み。これを入荷バース
 
のゲートリーダで読取るとき、とても興味深い運用をしていました。ケースタグでなく、ア
 
イテムタグを読んでいるのですが、ゲートリーダで常に全数読み取りとは行かないの
 
で、「バーチャルシリーズナンバー」を登録し、そのグループの商品タグが1つ以上読め
 
れば入荷OKとする、といったアイデア。詳しくは雑誌のレポートで。
 
せっかくなのでご愛読者サービスとして、RFタグ付きの帽子を示すニコラちゃんのベスト
 
ショットを1枚だけ、紹介しておきますね。
 




*             *



  このパイロットプロジェクトは08年末まで継続して成果を検証し、以後の拡大方針を決
 
定する計画。パイロットと言っても、国内での数週間限定実験とは余りに規模の違う本
 
気の取組みで、全数タギング・全サプライチェーン工程でのRFID活用が、最終目標で
 
す。
 
前にレポートした世界最大のイントラロジスティクス展示会・セマットではRFID提案が期
 
待に反し少なかったのですが、現実にはメトロがここまで思い切った取組みを継続して
 
いる。この落差は何なのか?
 
それはメトログループとサプライヤーに限られた動きで、ドイツ産業界一般にはまだ活
 
用の機運がさほど広がっていないということなのでしょうか。このあたり、事情をご存じ
 
の方があれば、ご教示下さい。




(次回につづく)






 




月刊マテリアルフロー 編集長

菊田一郎



 

 


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