08/09/23(241)
Column 「ちょっとマテフロ」
ヨーロッパ物流・RFID紀行2008
その14/オランダ出版業界の全冊タギングにビックリ(3)
いよいよ今回から、RFID導入現場に入りましょう。まずはBGN/セレクシューズの書店
(現在は3店舗)向けにタギング出荷する取次、セントラル・ブックハウス(CBH)の物流セ
ンターで、作業の様子を見ていきます。
*
このRFIDプロジェクトでは、前回紹介した研究と準備を経て06年4月、BGNグループ・
セレクシューズのアルメーア店で最初のパイロット運用を開始。
続いて06年11月、今
回私たちが訪れたマーストリヒトのドミニコ店に導入が開始されました。どちらも約
1,000平方メートルの広さで3万~4万点の在
庫を持ち、事務用品・雑誌を除き各店舗
で扱う100%の書籍にタギング。次いで3番目にナイメーヘン店でも07年12月、すでに
導入しています。
ドミニコ店での取材結果よると、1日の書籍入荷量は3~4パレット、80~200ケースと
いうことなので、単純に3倍すると、CBHからの現時点でのタギ
ング出荷量は、合わせ
て240~600ケース。仮に1箱平均50冊だとすると、1,200冊~3,000冊という見当になる
でしょうか。
今回のオランダ訪問は、1日でソニーヨーロッパ、CBH、セレクシューズのドミニコ店と
3か所を回る強行軍だったので、実は余りゆっくり見ていられなかっ
たのがちょっと残
念でしたが、CBHの物流センターには、日本の大手取次のそれに似て、なかなか見
事な自動化・効率化設備が一杯導入されていました。
オーダーピッキングシステムでは、ラック両側14万の棚間口からペーパーレスピッキ
ングする搭乗式スタッカクレーン・高層ラック(ストックリン社製)。こ
の本を店舗別に1
冊ずつ仕分ける単品自動仕分け機。高価品など特定品目を扱うのであろう垂直回転
ラック。店舗別梱包後にケース単位で出荷方面別に捌く方面
別自動仕分け機(ファン
デルランデ社のクロスソータ600)、といった具合です。この辺り、詳しくは月刊「マテリ
アルフロー」9月号のカラールポをご覧下
さい。
CBH物流センターの稼働は朝6時~20時で、仕分けした商品を自社トラック130台で毎
日オランダ、ベルギーの顧客店舗に配送しています。
* *
さあて、店舗別ピッキングが終わった後、上の3店舗向けの書籍には、梱包前にRFタ
ギングを行います。ちょうど私たちが訪問したこの6月初旬、翌週から稼働予定という
新型ラベリングシステムの、最終調整風景を取材することができました。
オペレータがマシンをセッティング後、ケースか
ら本をコンベヤに投入すると、ICチップ
にコードを書込み、バーコード他の印
字をしたタグラベルが、書籍のサイズ
に合わせ、所定位置に自動貼付され
るというもの。ロゴパック社のアプリ
ケータを採用した半自動システムで、
まず2台を導入。これで最大5万冊/
日のタギング能力があるそうですか
ら、しばらくは大丈夫(写真)。
確認しておくと、このRFタグはISBNナンバーとユニークなシリアルナンバーを持ち、全
ての書籍がユニーク(本の種別だけでなく、同じ本でも1冊ずつ別々に)識別可能になり
ます。
最後に、タギング完了した本を数十冊入れた段ボール箱をトンネルリーダに通し、一
瞬・一括で出荷実績を読取ります。トンネルリーダは高めの出力でも電波を
漏らした
り混入させにくいので、高い読取り効率を出せます。このデータを出荷前にASN(出荷
予定情報)として、セレクシューズ店舗に送信するわけです。
* * *
CBHでは書籍だけでなく箱にもタギング(SSCC
96の標準コードを採用)し、ロジスティク
ス管理に活用しているそうです。中身のデータと紐付けしBGNにASN情報を送信する
他、出荷パレットに積み上
げて箱タグをスキャンし、他の書店行きのケースが混入して
いないかチェックしてからトラックに積み、セレクシューズに出荷するというわけ。
またCBHでは図書館分野にもこのRFIDシステムを提供開始しており、アムステルダム
のプロテスタント系私立大学・フリーユニバーシティの図書館で07
年10月から試験稼
働。22万冊にタギングしセルフチェックアウト、セキュリティ管理、在庫管理に活用し、タ
ギング総数は1,400万冊になる見込みで
す。
今後はBGN以外の書店向けにも、RFIDタギングをビジネスサービスとして広く展開して
いく計画とのことでした。
(次回につづく)
月刊マテリアルフロー 編集長
菊田一郎
バックナンバー
ご意見・ご感想
|
ご意見・ご感想はこちらからお願いいたします。
|
 |
|