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08/12/02(251)

Column 「ちょっとマテフロ」

トヨタ生産・物流方式の今(イマ)的意義

その1/今なぜTPS・TLSなのか




 どうやら産業界にとって厳しい冬の到来です。そんな今、生産・物流・流通の現場にで

きることは? 月刊「マテリアルフロー」12月号では「トヨタ生産・物流方式で[復活]」の勇

ましいタイトルで、「原価低減」の可能性を追求してみました。





 トヨタ生産方式(TPS)は、もう数十年にわたってわが国、そして世界中の産業界がベ

ンチマークの対象とし、その長所を取り入れようとそれなりに努力してきたわけで、何を

今さらと思われるかも知れません。

 サプライチェーン・マネジメントのコンセプトも実は(今でも十分認識されていないよう

に感じるのですが)、TPSを米国のMITなど大学や企業・コンサル会社が徹底的に研究

し、生まれたもの。わが国でもこれまで、多数の企業がTPS導入を掲げ、近年の有名ど

ころではNECグループや日本郵政、ダイエーなど流通業にまでその輪が広がっていま

す。

 しかし今でも多数の「トヨタ本」が書店の棚には並び、なおも「今的テーマ」として全く古

びていないように思われます。ひとつにはトヨタが「世界一」の実証を示しつつあること。

形だけマネようとしても簡単は行かず、失敗した事例がかなり多いこともあるでしょう。

 「かんばん」だけ入れてみたって、それを支える仕組み・企業取引関係・従業員と経営

者1人ひとりの意識を改革しないなら、決してそれは根付かない(マテリアルフロー08年

3・4月号、原田啓二の一刀両断「トヨタ生産方式導入はなぜ失敗するか」参照)。

 もう一つは、物流現場へのTPS(その時はトヨタ物流方式=TLSとも呼ばれる)導入

は、生産現場に比べてまだまだ進んでいないこと。しかも、その根本にある着眼点が、

「ムダの排除による原価低減」にあることから、まさに売上の上がらない、というか正直

下がっている今、利益を維持・拡大する唯一の方法がここに残されていることを、まさに

この時にこそ訴えよう……そんな思いで、特集企画を立ててみました。


*         *


 その編成に向け、編集部はトヨタグループ本家である豊田自動織機・トヨタL&Fカスタ

マーズセンターの協力を得て、トヨタ自動車・物流管理部の林郁雄氏と、同カスタマーズ

センターの梅原茂センター長に話を聞いた上、トヨタ生産方式導入事例として日本郵便

のキーマン・現場まで一連の取材を敢行しました。

 林氏は、張富士夫会長の直命を受けてトヨタ生産方式の導入指導に全国を飛び回る

TPSコンサルティングのリーダーの1人で、日本郵便への指導では責任者を務めたこと

で知られています。

 特集では初めに、「トヨタ生産/物流方式の着眼点と現場改善への基本的考え方~

ムダの発見・排除で原価低減、利益拡大へ」として、林・梅原両氏の話をもとに基礎解

説編を置きました。

 次に「整理・整頓・清掃・清潔、そして躾——4S/5Sは利益の源~改善の基礎工事、

トヨタ流4S/5Sの基本と実践」として改善のベースとなる4S/5Sの復習。

 最後に「物流・流通現場におけるトヨタ生産/物流方式の導入・実践手法~改善の具

体的手順と郵便局での導入事例」と題して、林氏の説く具体的な改善手法と手順につ

いて、郵便局の改善事例を引きつつ、物流現場を念頭に改善と原価低減のヒントをま

とめました。


*         *         *


 まだ本誌は発売したてなので今回はこの辺にしておきますが、次回からまた、本コラ

ムでポイント紹介と、書ききれなかったコメント、などなどをお送りしたいと思います。お

急ぎの方は12月号誌上で。

(次回につづく)




 




月刊マテリアルフロー 編集長

菊田一郎



 

 


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