流通研究社の物流ポータルサイト□□Logistics System Station□□

WWW を検索 LSSサイト内を検索
TOP > コラム > 新生・日本郵便の現場改善チャレンジ(3)



09/01/20(257)

Column 「ちょっとマテフロ」

新生・日本郵便の現場改善チャレンジ

その3/1人完結作業、4S徹底の成果



日本郵便社内でも「全国トップクラス」と評価される、三郷支店のJPS導入・改善チャ
 
レンジ。今回も1人完結作業、セルワゴンの導入、そして4S徹底によるスペース生み出
 
し、備品倉庫の改善と、具体的な事例紹介を続けましょう。







◆一人完結取揃え
 
 同じく03年度、三郷支店では「一人完結取揃え」作業を導入しました。従来は前回説
 
明した「作業原単位」の考え方がなく、大きなテーブルに引受け取集した郵便物をバル

クでどさっと置き、これを数人が取り囲んで取揃え作業にかかっていました。「人海戦

術」のイメージで、全体の作業量も、1人の作業内容・手順も不明確でした。もちろん「い

つ頃終わるのか」は、やってみないとよく分からない、そんな状態だったようです。

そこで原単位化に加え、「1人完結取揃え台」を作成・導入することにしました。作業

テーブル、ケース置き台を樹脂パイプの組み合わせで作った手製のもので、キャスタで

移動可能です。15分でなすべき原単位の数量分に作られたケースの郵便物を、この台

を使い1人で取揃えることにしました。

作業手順も標準化し、これによる効率化で従来4人程度かかっていたこの取揃え作業

は、2人でOKと、2人の省人化ができたそうです。同時に「進度管理板」に現在状況を1

コマずつ表示するので、現在の進捗状況や異常が見てすぐ分かるようになりました。

大きな声では言えませんが、1人作業によって「ムダなおしゃべり」がなくなったことも、

仕事がはかどる一因だったとか。現場管理者の方なら、よくお分かりでしょう。


◆セルワゴン


集配課では配達に出かける前に、郵便課での配達区分けの次工程として、世帯別の

詳細区分作業を行います。従来は、台車に載せたケースを通路に持ち込み、それを取

り出して、担当者は「座り作業」で担当配達エリアの区分、戸別組立を行っていました。

そこで上と同じく「1人作業化」のコンセプトで、「セルワゴン」を作成・導入し、効率化・

見える化を実現しました。長年慣れた座り作業から、製造現場では当たり前の「立ち作

業」に変更したことでは当初、反発もあったようですが、その効率のよさ・フットワークの

軽さから、間もなく現場でも納得が得られたようです。

このあたり、[Before & After]の写真は、いずれも月刊マテリアルフロー1月号にカ

ラーでばっちり掲載されています。


◆4Sで区分機スペース生み出し

従来三郷支店では、取集郵便物の他局への差立区分は、手作業だけに頼っていまし

た。業務規模と局内スペースから、本社としても三郷支店には自動区分機を導入する

スペースがなく、不可能としていたそうです。

しかし機械の瞬発力は高く、集中時の省人化・作業迅速化効果は大きいので、現場

では何とかしたいと考えていたのですが、やはりスペースが確保できずにいました。

しかしJPS導入2年目の04年、トヨタ流改善の「基礎工事」と位置付けられる現場の

4S=整理・整頓・清掃・清潔=を徹底的に実践。その結果、狭いと言われていた区分エ

リアにスペースを生み出し、自動区分機の導入を実現したのです。取材当日も350の仕

分け間口を持つ立派な区分機が、目にもとまらぬスピード(3万通/時)で郵便物を区分し

ていました。


◆備品倉庫管理の改善


続く05年のトピックの1つは、「Mロジ」の開発・導入です。「M」は三郷の頭文字であり、

約800アイテムに上る式紙類(局の窓口で顧客が使う書類、請求書、小包ラベル他)の

調達・管理・保管方式(ロジスティクス)を抜本的に改善したもの。

各支店に共通するこれら式紙類は従来、どの郵便局でも1度にまとめて発注し、大量

の式紙を倉庫に保管し、使う慣習となっていました。「今月・今週何枚必要という発想は

なく、毎年同じ量が納入されていました。だから式紙類の倉庫はどこも相当なスペース

が取られていたのです」と渡辺支店長は明かします。

そこで三郷支店では、物品倉庫にも4Sを徹底した上で、式紙類の在庫状況を管理板

で見える化することにしました。在庫量を1週間分ずつチップで示し、発注は残り1週間

のタイミングで行うルールに抜本改善したのです。TPSを参考にしたJIT化の発想といえ

ます。

「ところが全然動かないチップがある。変だと調べたら、全部の課に在庫を置ける倉

庫やロッカーがあり、二重管理をしていたことが分かりました」(同)

そこで各課単位で在庫のフロント管理を実施し、余分な在庫は一切持たないようにし

たところ、従来平均2か月分あった在庫が1週間分となり、もとの物品倉庫(13.6㎡)が全

部空いてしまったそうです。この成果は社内で高く評価され、「Mロジ」の愛称で全国展

開されたということです。

*             *



  続きは、また来週。

( 次回につづく )




 




月刊マテリアルフロー 編集長

菊田一郎



 

 


バックナンバー

>>最新号 >>2008年 >>2007年

ご意見・ご感想

ご意見・ご感想はこちらからお願いいたします。

お問い合わせ