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09/02/03(259)

Column 「ちょっとマテフロ」

日産が挑む同期生産とAGV導入

その1/日産生産方式(NPW)とは



世界同時不況に直撃された本邦自動車業界。日産自動車もまた、減産と在庫調整の

真っただ中。しかしトヨタ生産方式ならぬ「日産生産方式」(NPW)で強い現場作りを進め

てきた同社は、反転のエネルギーを静かに蓄積しているようです。





グローバル同時多発不況は今も、誰も予測しなかった規模での延焼を続けているよう

で、皆さん気の休まる暇もないことと思い ます。トップは様々な経営的判断を強いられ

る一方、生産や物流の現場が今できることは、生産性向上・コストダウンの工夫を愚直

に続け、収益低下を防ぐ努力 ではないでしょうか。

 日産自動車では90年代から磨き上げてきた日産生産方式「NPW」(Nissan

Production Way)の思想を、“ゴーン改革”の中でもさらに推し進めてきました。その一

環として07年から、神奈川県の同社追浜工場で、生産ラインへの低床牽引型無 人搬

送車(AGV;Automatic Guided Vehicle)の本格導入を開始しています。

それが現在では計約900台ものAGVが活躍し、混流ラインの生産性向上・工場内物流

の大幅な効率化を実現しているのです。実はAGVの活用は、相前後して国内他メー

カーでも開始されており、自動車生産の歴史に新しい1ページを加える取組みになると

いわれています。

 「工場内物流効率化」の最新事例として、月刊「マテリアルフロー」編集部は今回、同

社の協力を得て、通常はカメラの入れない本工場の生産ライン取材を実現 しました。

AGVによる車種別・生産順の部品キット供給自動化の成功事例として貴重なレポート

になるはずで、本誌2月号(2月1日発売)の特集記事からそ の要点をお届けすることに

します。今回はまず、「日産生産方式」の紹介から……。


◆同期生産の可能性を追求した「日産方式」


この日産生産方式「NPW」とは、サプライヤから工場、販売までのサプライチェーンを

一貫・連携して、最適な「同期生産」を追求する同社独自のコンセプト。

高品質の車を効率的に生産し、ユーザーに約束した納期までに完成・納車するため、

まず受注後ただちに、車種・色・グレード・オプションなどの情報と納期を元にコンピュー

タ計算、部品・工程ごとの生産順序と時間を詳細に定めた生産計画を立案します。

次にサプライヤ、生産工場、物流会社、サービスセンターにこの計画データを一斉送信

し、各社・各工程がすべて連携した生産順序と時間が設定されます。

 サプライヤは計画通り製作した部品を、毎日生産順序通りに、納期厳守で日産の工

場に納入。この部品は作業指示に従い、1台分ずつまとめて組立ラインに供 給するの

ですが、この方式を「キット供給」と呼び、ラインで流れてくる1台ずつ異なる車種の組立

作業が、効率的にできるようになっています。

これがサプライヤと一体になって徹底的に同期化を推し進めた「同期生産」の骨格。全

国販売店3200店舗で受注した顧客注文内容は本社コンピュータでまと め、生産計画・

工程進捗等を一括管理しています。NPW導入は90年代から開始、現在もグローバル展

開が進められています。

*             *


今回の追浜工場におけるAGV導入も、NPWの「同期化」原則に従って、部品のキット

供給を効率化・自動化する取組みの一 環だったわけです。「AGVはNPWのツールの1

つと位置付けられますが、その高度化の核となっていますね」と、車両生産技術本部車

体技術部・自動化設備 技術課の井上博司主管は話していました。

 次回から、このAGV導入の考え方と概要について、記事を要約しつつ紹介していこう

と思います。


(次回につづく)










 




月刊マテリアルフロー 編集長

菊田一郎



 

 


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