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09/02/17(261)

Column 「ちょっとマテフロ」

日産が挑む同期生産とAGV導入

その3/改良された新型AGV



  日産自動車・追浜工場が生産ラインに導入したAGVの迫真現場レポート(マテリアルフ

ロー2月号)が大きな反響を呼んでいます。最後に、改良された新型AGVのポイントにつ

いてご紹介することにしましょう。







 ◆新型AGVの導入へ

さて日産・追浜工場では以前から、現在につながる低床型牽引AGV(同社製品名

「SAV」として90年代から販売、物流展でも毎回登場してましたね)を使っていました。従

来は複数メーカー製の機種が混在していたのですが、今回は新規本格導入に際し、そ

の改良に向けて愛知機械工業の子会社・愛知機械テクノシステムの車両をベースに、

車両技術開発試作部で標準モデル機の仕様を検討。各メーカーに呼び掛けたコンペを

経て、現在の最新タイプ(愛知機械テクノシステム社製)を完成し、07年夏から導入を開

始しました。

この新型AGVは、駆動ユニットと誘導方式は従来そのままに、①小物(積載500kg)・

中物(750kg)の2タイプで中物タイプは改造により横移動やその場回転も可能、②新プ

ログラミングソフトを導入、③操作方法を押し釦からタッチパネルに変更、などの改善で

作業性を大幅に向上しています。

追浜工場での導入は07年度に530台余、08年度にも約350台を追加と、計900台に迫る

大変な量。うち小物タイプが7割程度を占めています。

また組立ラインによっては、障害物センサで渋滞を感知し停止/遮断機などで停止す

る機能、絶対番地やカウントアップ方式での制御/無線制御方式など機能を選択採用

しました。これは「AGVと生産設備が共存する中、ロボットと連携・同期させるには信号

のやりとりを自動で行う必要がある」(橋本井上主管)から。

また駆動系では重量物をコントロールしやすいように、ブラシモータからブラシレスに変

更するなど、従来機よりオプションを加え、使いやすい低コストタイプの新型AGVとして

います。



◆国内他工場・海外工場への水平展開も


さて「追浜チャレンジ」活動では、部品キット場の整流化・AGVによる自動供給・ワーク

搬送などを進め、試行錯誤を繰り返した結果、現在は「手元化、超手元化の感覚で、目

の前のだけを見て作業に集中できる」ラインを実現しています。

指標で見ると、従来の無付加価値作業(しゃがみ、かがみ等)、低付加価値作業(部品

運び、仮置き等)と付加価値作業の工数比率は25:75だったのが、導入後は19:81

と改善しました。これは外部評価機関による品質評価基準の国内コンパクトセグメント

で3年連続1位受賞するなど、日産工場での模範的事例となったもの。

「AGV導入当初は動線がフォークリフトと交差していたのを分離・整流化し、現在は徹

底したルールと共に安全で効率的な作業場ができました」と島田課長は話します。

国内の完成車工場3か所(栃木、追浜、九州)は新型AGVをすでに導入していますが、

今後はいわき、横浜のエンジン工場のほか、東南アジアの海外工場にも水平展開を進

める構想です。

実はキット部品供給へのAGV活用はトヨタ、ホンダなど他社でも開始され、07年から国

内の無人搬送車生産数量は大きく拡大しています。「AGVは元来需要の浮き沈みが激

しい製品ですが」と橋本主管は話します。「現在の生産ラインで効率を追及するため、

AGVは最適の手段の1つだと思います」

改良型SAVとなる最新タイプの製品名は未定ですが、日産ブランドでの展開はもちろ

ん、愛知機械テクノシステムと商社経由も加え、本年中にも一般向け販売が開始される

予定だそうです。


*             *


 それでは新型AGVの、追浜第1車体工場での導入現場に入ることに……したいので

すが、この後は月刊「マテリアルフロー」2月号をご覧ください。カラー8ページでバッチリ

紹介しています。


(シリーズ終わり)










 




月刊マテリアルフロー 編集長

菊田一郎



 

 


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