09/03/31(267)
Column 「ちょっとマテフロ」
物流センターは人材で勝つ!
その1/ハマキョウ流・人材育成の王道
さあ年度初め。月刊マテリアルフロー4月号では「物流センターは人材で勝つ!」の
特集を組みました。トップ記事から、わが国3PLの旗手・ハマキョウレックスの「本物」
の人材育成ぶりを覗いてみます。
*
「厳しい時こそ、物流のプロが求められる。本物の仕事をすれば、お客さんは離れ
ない。でも偽物は捨てられる」「よい人を採るのでなく、よい人に育てる。一生懸命、真
剣にやれば、まだまだ仕事はあるよ!」
浜松のハマキョウレックス本社に大須賀会長を訪ねた編集部に、開口一番、「大須賀
節」はいきなり、炸裂しました。「物流センターの人材作り」に焦点を当てるこの特集で
本誌は、ずば抜けたセンター運営で収益を挙げ続けるハマキョウレックスのリーダー
育成制度、「物流センター長試験」に注目することにしたのです。
ところが。取材の過程で、それは単なる試験制度ではなく、ハマキョウの人材育成へ
の驚くべき「真剣さ」の一環であることが判明しました。「本物」とは、ここまで徹して初
めて生まれるものなのか……。
◆懸命・真剣・本物の仕事
何しろ08年度3月期通期のハマキョウ連結決算予想は、売上高865億円(3.6%増)、営業
利益4.3億円(27.6%増)、経常利益4億円(27.8%増)、当期純利益2億円(33.7%増)と、大幅
な増益に。3PL事業一般が好調かと言えば、そんなわけはなく、売上規模ではハマキョ
ウの約4倍と3PL業界トップを走る日立物流でさえ、この第3四半期は減益となっていま
す。
なぜハマキョウだけが勝ち続けているのか? その素朴な問いに対する大須賀正孝
会長の答えが、冒頭の一節でした。
筆者はかれこれ5年ほど、繰り返し大須賀会長と同社物流センター、センター長を何
度も取材し、記事を書いてきたので、「ハマキョウ流」「大須賀イズム」の凄さをある程
度理解しているつもりでした。
「本物」「真剣」「一生懸命」…どんな経営者だって今どき、同じ言葉で必死の指揮を
とっているはず。しかし大須賀会長の言葉は、1つ1つの重みがどうやら、余りに違う。
今回2時間余にわたるインタビューの中で改めて、徐々に、一から、そのことに気付か
されたことを、筆者は白状しておかねばなりません。
ここではインタビューのエッセンス、「勝つための事業と人材」を巡る“大須賀語録”
を、いくつか紹介しておきましょう。
◆ミスのない仕事
「まず一生懸命やることだよ。1度もミスをしないのは無理だ、という人がいる。だったら
会社の給与計算は一度でも違っていたか。給料を間違えていいと思うか」
「それだけ現場が常に緊張感を持って、真剣に仕事をする仕組みを作る。それを自分
だけでなく現場の全員に、分かるように教える。なぜ間違えてはいけないかを認識さ
せれば、誰だっていい加減な仕事はしないよ」
「ミスをしたらなぜ間違えたか検証し、直して二度と起きないようにする。真剣にやれ
ば、できる。難しいことじゃない。当たり前のことを当たり前にやるだけだ」
◆請けた仕事は自社で責任
「人任せでは、本物の仕事はできない。請けた仕事は全部自社で、責任もってやる。忙
しいからと他社にやらせるのは無責任だよ。他社の社員をそこまで教育できないもの」
「でもウチの人材は、“初めから優秀な人”を採るんじゃない。一人ひとりの長所を認め
て自信を持たせ、“優秀な人に育てる”。育てるのが会社の責任。自信をなくしたら東
大卒でもダメ。つぶれてしまうよ」
◆いつも素人として
「物流センターの仕事は、同じものが1つもない。量販店向けなど商品は同じでも、会
社や地域によってやり方、ルールは全部違う」
「だから新しいお客さんの仕事に対して、ウチはいつも素人のまっさらな気持ちでのぞ
む。条件や流れを全部聞き、どこがどれだけ合理化できるから、どれだけの原価でで
きるか見積もり、提案する。それをサボって、原価も分からないのに適当な値段で請け
るから失敗する。油断大敵だよ」
* *
次回は同じ特集記事から、ハマキョウの人材育成の基盤「勉強会」の項を立ち読みし
てみましょう。
(次回につづく)
月刊マテリアルフロー 編集長
菊田一郎
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