09/04/14(269)
Column 「ちょっとマテフロ」
物流センターは人材で勝つ!
その3/ハマキョウ流・人材育成の王道
ハマキョウレックス・大須賀流人材育成の核心をなす、「社内勉強会」のレポート続
編です。ハマキョウの従業員はなぜここまで「自律・自立」し、驚くほど権限を委譲さ
れ、縦横に活躍しているのか……。
*
◆相手を認め、諭す
勉強後の食事会とフリートーキング。席を回って全員と対話を続ける大須賀氏の言
葉・目線は、社員でもパートでも幹部でも、まったく変わることがないそうです。具体的
な案件、現在の課題、困っていること等々、磊落な大須賀節に心を開いた従業員たち
から、だから、本音の言葉を引き出すことができる。
その時です。どんな指導をするのか。
『押し付けとか、やりなさい、ではいけない。ミスや事故を起こした人なら、“どうしてあ
なたのように上手い人が間違えるんだ。何か悩みでもあるのか”と聞いてあげる。自
分は認められている、と感じた人は、自ら恥じて2度と間違うまい、という気持ちにな
る』
まず相手を認め、そして諭す。本人の自発性を引き出すことで、一人ひとりが自立・自
律する。
『みんなが、この会社に入ってよかった、と思えるようでなくちゃ。そうしてモチベー
ションを上げていくことが大事なんだ』
* *
◆現場を知り尽くすトップ
ハマキョウの勉強会やセンター現場には、全国から様々な人が教えを請いにやって
きます。そして会長が従業員のどんな仕事内容も把握し、指導している姿を見ると、
「トップが現場のこと全部知っているとは」とみな一様に驚くようです。
周知の通り大須賀会長はトラック1台の運送屋から身を起こし、試行錯誤の中すべて
自分の手作りで、今の会社を築いた立志伝中の人物。
『多くの企業トップは、規模が大きくなるほど現場が分からなくなってしまう。それじゃ
本物の経営はできない。私も全従業員に会い、現場の指導ができなくなれば、いつで
も交替する』
『だから本当に必要なのは、社長の教育なんだよ。社長は“雑業”、全部知ってなきゃ。
分からなければ現場に聞くんだ』
『落語でも絵でも、師匠は仕事のことを全部知っていて、弟子に指導する。社員だけ勉
強しても、社長が分かっていなければ嫌になってしまう』
これら勉強会の後には、全社員にレポートを提出させます。書式は全く自由。しかしこ
れは役員まで回覧し(会長は本当に1枚1枚目を通していました)、記録として大事に残
す。彼・彼女が「こんなふうにやって行きます」と書きとめた決意・抱負を、本当に実践
しているか、後の人事考課の資料とするのです。
◆“アコーディオン方式”はなぜ可能か
今では有名になったハマキョウの「アコーディオン方式」とは、その日の仕事量に応じ
て、現場配置人員をアコーディオンのように自在に伸縮させ、最低限の人員=人件費
で運営する独自の運営手法。だがこれは「言うは易し・行うは難し」の典型例。「その
日」になっての突然の人員調整(いや、応援を呼ぶとか、他の仕事に就ける調節では
なく、必要な人員しか出勤させず人件費を最小化することです)が、簡単にできるはず
もありません。
だがハマキョウでは、量販店向けなどセンター現場ごとに、明日の出荷量が予定情報
で確定する前日夕方頃、数量分の必要人員数を即座に割出すと、班長やリーダーが
パート従業員に「明日出てくれる?」「休んでくれる?」と口頭や電話で頼み、最適人数
に調整してしまいます。パート従業員が、「自発的に」やる。本当です。信じられます
か?
詳しくは、月刊「マテリアルフロー」4月号特集をご覧ください。
(次回につづく)
月刊マテリアルフロー 編集長
菊田一郎
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