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09/05/19(273)

Column 「ちょっとマテフロ」

カゴ車の流失を防ぐには

その2/紀文フレッシュシステムのRFID管理



カゴ車の流失に悩んだ紀文FSの物流現場。たまらず台車入出荷の手書き管理を導入

したものの、4人の増員でコストがウナギ登り。「何かいい方法はないものか」…そこで

登場したのが、RFIDの活用というアイデアでした。





月刊「マテリアルフロー」5月号特集からの立ち読みを続けます。ここでRFIDが登場す

るのは、紀文食品や紀文フレッシュシステム向け物流資材調達も担っている紀文産業

が、2年前、サトーなどとカゴ車のRFID管理実験にトライした経緯があったからなので

すね。

「どこかに負担を押し付けるのでなく、仕組みで解決できる方法を」と考えた紀文産業

資材部の鈴木マネージャーは、RFIDの活用計画を積極的に推進。08年9月から紀文フ

レッシュシステムと実用可能性の検討を重ねていきます。



◆金属カゴ車にタグ


金属製のカゴ車にRFタグを装着するなら、かつては金属の干渉を受けにくく一定の交

信距離が得られる、2.4GHz帯の周波数を選ぶことが多かったと思います。しかしUHF

帯の技術開発が進んだ今なら、取付方法に工夫は要りますが、より長い交信距離で

大きなゲートリーダが使えるUHF帯が最適でしょう。

 ここで問題になるのが、金属カゴ車用のタグ取付具です。なぜかというと、

①金属本体からタグを浮かせ電波交信可能にする構造

②物流現場での使用に耐えタグを守る堅牢性

③容易にはずれ・取り外せない耐久性

④同時に既存のカゴ車に後付容易であること

というなかなかの機能が必要になるからです。

本格先行例としてよく知られているのは、マテリアルフロー誌が2年前に詳しくレポート

したセルコチェーン/エコス・所沢物流センターのチャレンジ。そこでは発泡樹脂でタグ

をくるみカゴ車にガムテープで装着するという簡易取り付け具が使われていました(現

在新方式に更新中だそうです)。

しかし「流失防止」を主要目的とする今回は、上記のうち②③の機能がより重視され、

堅牢性・耐久性に富むものでないといけない。


市販製品は、どこにもない。鈴木さんらはカゴ車メーカーやレンタル事業者にも相談し

たそうですが、誰も対応してくれない(そこにはちょっとした理由があるらしい)。

そこで紀文産業では、RFID導入検討と並行して研究・検証を進め、物流現場の厳しい

実運用に耐えるRFタグ用カゴ車取付具「輸きち」(ゆきち=商品名)を、わずか3か月

の短期間に、自ら開発してしまいました。

苦心のアイデアについては特許も申請。たとえばコスト削減のため、1つの金型で作る

同じ2つの部品を組合わせる構造にし、ほとんどの規格のカゴ車に取付け可能に。「輸

きち」は計画単価1,000円(タグ別途)程度で紀文産業が一般販売を計画しており、すで

に数例の導入案件が進んでいるそうです。




◆実用的なタグ取付け具

「輸きち」の装着手順は、カゴ車上部の横パイプを挟んで合わせ、中央のくぼみで縦柱

に固定、ボルト止めするだけ。ボルト穴を埋めれば取外しはほぼ不可能となるでしょ

う。RFタグは側面から上部に差込み、金属パイプから浮かせるので金属対応タグでな

くてOK。強度設計も万全とのこと。

 差込み利用しているRFタグはUHF帯のEPC Gen2タグで、当初オムロンの規格品を

使っていましたが、生産ロットの関係で森村商事が新開発したタグ・INAZUMA(UPMイ

ンレイ使用)に更新することに。日立産機システムもミューチップHibikiを使って輸きち対

応タグを開発中、他にも検討中のベンダーがあるようです。


「今回はカゴ車管理にだけ使っていますが、将来は商品情報との紐付けも視野に入れ

ています。顧客側にもRFIDリーダを入れてもらえれば、受入検品にも使えるはず」と鈴

木氏は続けます。「またセキュリティ管理のため、今後はタグ情報が書き換えできない

機能が必要でしょうね」
(次回につづく)







 




月刊マテリアルフロー 編集長

菊田一郎



 

 


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