09/05/26(274)
Column 「ちょっとマテフロ」
カゴ車の流失を防ぐには
その3/紀文フレッシュシステムのRFID管理
こうして紀文フレッシュシステムと紀文産業では、RFIDによるカゴ車管理システムを開
発、検討開始からわずか3か月後の08年12月1日からテストランを開始。09年1月には
本格稼働に漕ぎ着けました。
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前回までに見た個別管理方式の準備、取付具「輸きち」の開発と進み、後はタグ読取
りデータを管理するシステムを整えれば完成という段階に。すでに両社が台帳をもとに
出荷実績一覧を作るなど管理システムの原型を開発していたので、これを日本ユニシ
スの搬送機管理ソリューションに融合させることにしました。日本ユニシスではこの申
し出を受け、実質わずか1か月の突貫作業で対応システムを仕上げたそうです。
食品物流センターが一番忙しい年末の新規導入となりましたが、3社の協働と現場の
努力でクリア。M百貨店デパ地下への食品仕分けと出荷、カゴ車の回収まで、その後
元気に稼働中の現場作業の流れを簡単に見ておきましょう。
◆商品仕分け・出荷と配送
店舗納品は毎日1回。開店前に届けるので、朝6時頃のトラック出発に合わせた商品
の仕分け作業は午前2~5時頃、約50社の食品ベンダーから届いた商品を、店舗別に
並べたカゴ車に、リストを見ながら仕分けていきます。終わったら、無線RFIDハンディ
端末(ユニテック製、2台導入)で、このカゴ車を出荷する店舗のバーコードを読み、次に
「輸きち」で装着されたカゴ車RFタグを読み合わせ、紐付け。
ハンディ端末は隣のカゴ車タグを読んでしまわぬよう、UHF帯ながら読取り距離を
20cm程度に絞っています。この作業は1台数秒で終わるから、1店で4トン車1台分程度
の納品カゴ車(満杯で23台)の登録は、1~1.5分で簡単に。M社6店舗向け出荷量はほ
ぼ100台/日だから、全部合計でも5~6分でしょう。
これにより出荷先店舗単位で、カゴ車の出荷台数とIDナンバー明細がシステム的に登
録・管理されるわけです。続いてコンピュータ指示でカゴ車出荷明細票が出力される
ので、これをドライバーに手渡し。
ドライバーはこれを店舗担当者に商品の納品書と一緒に手渡す(従来の手書きからコ
ンピュータ出力になり、一層説得力が増した)ことで、カゴ車管理の必要性と明確な管
理状況を双方に意識付け、共有させられます。これは今回採用した日本ユニシスの搬
送器具管理ソリューション「PalleTracer®」(パレトレーサー)が、標準機能として備えるも
の。
◆カゴ車の回収・追跡管理
ドライバーが店舗から回収してきたカゴ車の管理、ここがポイントです。本センター作
業場入口(低温室なので開閉ドアで密閉されている)に設置したゲートリーダにより、カ
ゴ車を通過させるだけでRFタグを自動読取りできるようになったのです。そのIDのカゴ
車が確かに返却されたことを識別し、個別登録。
ドア間口は約2m、上部に2台設置したアンテナ(オムロン製)の読取り距離は1m前後に
調整し、周囲のカゴ車タグの読過ぎを防ぎつつ、ゲート通過タグは100%確実に読める
ようにしました。
こうして行き先別にカゴ車の動きが高精度で・半自動の最低の作業負荷で、個別管理
可能となりました。この実績データによりパレトレーサーは、カゴ車の在庫管理、未返
却カゴ台車の追跡管理機能も提供してくれます。
未返却が多ければ、この管理記録を根拠に督促することも可能で、カゴ台車の紛失防
止=購入コストの削減、老朽カゴ車へのすり替わり防止に威力を発揮。台車ごとにも
購入日や使用履歴・メンテナンス履歴が記録できるので、適切に管理し台車の品質維
持、商品を傷つけない物流品質の保持に活かすことができます。
さらに月に1度のカゴ車の棚卸も、はるかに容易に実施できるようになりました。今ま
では出しては戻るカゴ車が1回転するまで全数棚卸に4日かかっていたのが、現物読
取りと客先の在庫データ照合で、1時間もかからず完了できるようになりました。新シス
テムによる3月度決算時のカゴ車棚卸でも、「差異ゼロ」を達成したそうです。
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物流品質向上=欠品・遅延・破損の防止、トレーサビリティといった顧客満足度の向
上が強く求められる中、顧客にも大いに歓迎された紀文フレッシュシステム・紀文産業
の取り組みはちょっと要チェック。詳しくは、写真・図解付きマテリアルフロー5月号特集
をご覧ください。
(シリーズおわり)
月刊マテリアルフロー 編集長
菊田一郎
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