09/06/09(276)
Column 「ちょっとマテフロ」
出版サプライチェーン最適化へ
その2/日販の次世代物流拠点リニューアル
さて日販の「王子NEXTプロジェクト」では、オールデータイン(手書き短冊の受注も全
てデータ化し機械作業に)、トレーサビリティ、リアルタイム・24時間・365日稼働、の3点
をキーワードに、流通センターシステムの全面刷新を図りました。
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王子NEXTの目指す物流機能強化
王子流通センターで扱う書籍の物流は、大量にまとまる「新刊」と、数冊・一冊単位
の「注文品」の2種に分かれ、1日平均約200万冊に上る出荷量のうち、概ね80万冊が
新刊・120万冊が注文品という比率になります。
一部は地方支店に在庫を置くこともありますが、基本的には全ての書籍が東京・北区
の本センターから、全国の書店に送品されるそうです。
こうした取次会社の使命は、出版社の発行する商品を適時・適切に書店に供給し、販
売をサポートすること。しかし店頭での販売状況は商品ごとに刻々変わり、それぞれ
が次のようなライフサイクルを変遷していきます。
【新刊書籍の店頭ライフサイクル】
①「新刊」として平台に並ぶ
②売行きに応じ追加注文される
③その後売行き「良好書」は平台で、定番となったものは棚で売られる
④それ以外は店頭在庫でなくなり、注文に応じ「客注品」として取り寄せを行う
…こうしたライフサイクルの局面ごとに変化する物流特性・ニーズに応じて、取次は最
適な物流サポートを一貫して行う必要があります。日販では今回の王子リニューアル
で上の各局面に応じスピード、品質などベーシックな物流機能を、以下のように極限ま
で強化することを目指しました。
5つの強化施策を、順に見ていきましょう。
◆強化施策(1)/出荷スピードアップ
注文品についてはセンター内のすべての工程・設備を、出荷トラックの出発時間に合
わせた新たなタイムスケジュールで管理することに。自動仕分け機などの能力も高
め、在庫品は注文翌日出荷を実現しました。
従来、首都圏の書店向けなら22時までの注文を翌日仕分けし、うち半分が3日目の出
荷となっていました。それが現状では、午前1時までの注文でほぼ翌日出荷可能に
なったそうです。
筆者もかつて、書店に注文した本がちっとも届かず、2週間近く待たされた記憶があり
ますが、これならオンライン書店に頼らずとも、迅速な取り寄せが可能になってきたよ
うですね。
また1日に約200点・60万冊が入荷する新刊出荷についても、良好書など1日平均約50
点20万冊を搬入日当日に出荷し、従来より1日早く店着可能に。合わせて、出版流通
のスピードアップが大きく前進したようです。
(次回につづく)
月刊マテリアルフロー 編集長
菊田一郎
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