今月は、わが月刊「マテリアルフロー」10月号でフィーチャした2つの注目事例から
要点紹介を。いずれも「バーコードなしで入荷」する製品の出荷をどう正確化・効率化
するかに挑んだもの。悩んでいる方、結構多いのではないでしょうか?
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◆同日出荷率を9割に
まずご紹介するのは、生命科学研究市場の世界リーディング・サプライヤー、シグマ
アルドリッチ社・日本法人の市川物流センターです。
同社の本社は米国ミズーリ州セントルイスにあり、08年度の売上は22億ドル(約2,000
億円)。主な製品・サービスは、ゲノミクス・プロテオミクス・細胞生物学・再生医学分野
等の研究者用各種ライフサイエンス製品、基礎試験薬品など化学合成・材料科学分
野の各種製品、分析用試薬、バイオ医薬品原料・プロセス開発などファインケミカル製
品・サービス、等々。
「今では世界に100万人の顧客を持ち、38か国で約8,000人の社員が13万品目以上
を製造・供給しており、売上は50年連続成長という強固な財務的安定性を持っていま
す」とシグマ アルドリッチ ジャパンの張恒雄社長は話します。
同社は世界10か国に38の製造拠点を持ち、事業所を持つ38か国から、ほぼ全世界を
カバーする160か国で販売し、1日に15,000オーダーを出荷しており、「同業の中で世界
トップクラスのサプライチェーン・システムを持っていると思います」と同社長。
「研究者など明日ほしい、という顧客も多く、“90% Same Day Delivery”(9割は受注即日
出荷)が全社的目標なんです」
◆5万種類・24万本を在庫
日本法人は試薬中心のビジネス展開で年商約130億円、石狩と市川には合成DNA
等の製造拠点を持ち、社員数は全体で250人という体制。国内向け物流センターは千
葉県市川市にあり、従業員55人(うち正社員は13名)で入出荷と管理の業務に当たって
います。
同社内でも最大規模を誇るドイツの物流センターでは、自動倉庫や先進的ピッキング
システムが活躍していますが、「日本はまだビジネス規模が小さい上、防爆仕様が求
められるなど規制の問題、SAPと連携するソフトウェアの問題などがあり、自動化はそ
ぐわない」(張社長)と判断されたため、市川物流センターはマニュアル作業中心に。
市川物流センターの阿部美穂子マネージャーは、「本センターでは約5万種類の製品
を扱い、試薬などの在庫数は約24万本になりますが…」と指摘します。
「製品には小さなものも多く、弊社では単品パッケージにバーコードを入れていないた
め、マニュアル作業の正確性が課題になっていました」
◆作業機械化を阻むカベ
消費者がPOSレジで購入することのない業務用製品分野や輸入品では、単品パッ
ケージにバーコードがソースマーキングされていないケースがままあります。正確かつ
迅速な作業が要求される物流現場にとって、これはなかなか辛い条件。
「製品1本1本を、(パッケージと伝票の)カタログ番号、サイズ、ロット番号というアル
ファベットと数字の目視作業で識別する作業になります」と阿部マネージャー。
その印刷文字はかなり小さく、形状・外観だけでは区別しにくい製品も多数。これらを
どう正確に識別し、間違いなくピッキング・出荷するか。次回にそのポイントを見ていく
ことにします。
(次回につづく)