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09/12/22(302)

Column 「ちょっとマテフロ」



食品標準クレート、共有運用開始!

その4/流失を約4%へ、劇的な改善達成し全国展開中


 わが国スーパー業界が協働で進める「標準物流クレート・共用化」の特報、今年の最

後に、標準化ガイドラインが定める数量管理システムのポイントと注目の棚卸結果を紹

介します。今年も1年ご愛読、有り難うございました!



◆ クレート総数管理のためのシステム

  さて、以上の運用システムのベースとなるのが、クレート数量管理システムです。RFID

でユニーク識別する「個体管理」は将来課題とし、今回は個体識別せず出入りの数量

実績のみを管理する「総数管理」の標準システムが構築されました。

 「数量管理システムとしては、コンペの結果JPR(日本パレットレンタル)の“epal”をク

レート用にカスタマイズし、導入することにしました」と加藤氏は説明します。「05年に協

議会で取組みをスタートして以来、4年半かかって今年の1月に完成したものです」

 JPRは周知の通り、一貫パレチゼーション用標準レンタルパレット(1,100×11,00mm)

によるパレットプールシステムの構築・運営に実績を重ねてきました。その高度化に向

け、企業間を行き交うパレットの数量管理システム「epal」を構築、実績把握と流失防止

などに成果を挙げていますが、そのノウハウを活用し、「クレート専用のepalシステム」

が立ち上げられたのです。ガイドラインでは、以下のようにルールを規定しています。



◆ 標準数量管理システム

・日本パレットレンタル㈱が開発・運営する「epal」を標準数量管理システムとする

・標準クレートを使用する場合は、全て「epal」に登録する

・「どこから」「どこへ」「何枚」貸し出したか、「どこから」「どこへ」「何枚」返却したか、な

どをそれぞれ「epal」に入力する

⇒各場所の在庫数と戻るべき場所・数量が分かる





 「今まではメーカーから製品を乗せて届けられるクレートについて、製造も小売も物流

も、入出数量管理はまずしていませんでした。足りなくなれば買う、という消耗品扱い

だったんです」と西村座長は指摘しています。「それが物流効率向上、環境負荷低減が

厳しく言われるようになり、マネジメントの必要性がようやく認識されてきました」

 「その点JPRではパレットで現場運用のポイントを知悉しており、システム開発だけで

なく、様々な運用や現場トラブル対応など全てにアテンドし解決に取り組んでくれました」

と西村・加藤両氏は評価します。「システムができたから使えと言うだけでは、現場は動

かない。その点、JPRが管理システムと現場運用を一体的にサポートをしてくれたこと

が、順調に実運用開始できた1つの要因でした」


共有化・実運用開始、初めての棚卸

 以上の枠組み構築の上で、本年4月から、全国各地で地域ごとにグループを構成し、

「標準クレート共有化」の実運用が順次開始されています。09年11月時点で、自社内だ

けでなく、メーカーへの貸出し・循環利用を含めて実施に入っている小売業は;

<九州>イオン

<関西>イズミヤ、オークワ、関西スーパーマーケット、ライフコーポレーション

<中部・東海>ユニー

<関東>エコス、さえき、シジシージャパン、セルバ、たからや

…の4地域・10社に加え、山梨県のオギノも導入検討に入ったところ。epalのID数でこれ

に係る入出荷管理取引先の数をみると、ベンダー・メーカーを合わせて約150社。流通

量は現時点で日量6~7万枚の規模になります。


◆ 初回棚卸で高精度を達成

ガイドラインには、標準クレートを「3月と9月に年2回棚卸」することが規定されていま

す。この9月、初めての棚卸が実施されたのだが、運用実態・品質を明示する数値とし

て注目の、棚卸差異はどうだったのか?

 「今回の結果では、棚卸差異が各社“約4%”に収まりました。無管理の場合、ライフ

の例では毎年10~20%のクレートが流失していたことを思うと、半年でここまで流失を低

減できたのは大きな成果だと思います」と加藤氏は話します。

「対象となった和日配メーカーは数が限られ、JPRの指導を受けたこともあって予想以

上の高い精度でした。今後は数の多い店舗でも管理精度を上げていくことが課題です」

その中でも、以前から物流管理システムを構築していたエコス茨城センターの管理精

度は、対象ベンダーと店舗を合わせて「差異約0.3%」と、抜群の結果だったそうです。





標準クレート、標準システムを作ったから参加を、と言うだけでは、これだけ経営環境

の厳しい今、仲間を拡大することは容易でありません。

しかし物流クレート標準化協議会の取組は、以上のように①コスト低減、②環境負荷の

低減、③効率・生産性の向上、④管理品質・精度の向上を実現でき、多面的な参加メ

リットを得られることが明らかになりました。

「現状を変更」することに腰が重いのは誰しも同じ。しかし社会的な効果が明らかであ

れば、自社のデメリットを最小化してこの輪に加わることが、企業の社会的責任を果た

すことにつながるのではないでしょうか。



 
(シリーズ終わり)





 




月刊マテリアルフロー 編集長

菊田一郎



 

 


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