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TOP > コラム > アジア・日中に焦点、経産省の物流政策展望(1)



10/01/05(303)

Column 「ちょっとマテフロ」



サプライチェーン高度化で日本の競争力向上!

その1/アジア・日中に焦点、経産省の物流政策展望


 新年明けましておめでとうございます。今年も本コーナーでは月刊「マテリアルフロー」

の最新情報から、注目の話題・課題をコンパクトに紹介していきますのでご愛読を。今

月は新年号の年頭展望から、経産省の物流関連施策に注目します。



◆国際物流の安全と効率化の両立へ

本誌では毎年年頭に、新しい年の物流・流通政策について特集しています。今回も

「2010年の物流・流通;課題と施策」のタイトルで、冒頭に経済産業省流通政策課・高橋

直人課長のインタビューを置きました。

実は政権交代のあと、「官僚は政策を語るな」という政治主導の方針が極端に喧伝さ

れ、一時混乱した経緯もあるのですが、何とか記事にできホッとしました。

今回は経産省が推進する流通・物流効率化施策について、09年7月に発表された新・

総合物流施策大綱も踏まえながら、09年度施策の進捗状況と今後の施策ポイント・展

望について、あれこれと聞いています。以下、4回に分けてその要点を拾っていきます。

今回は国際物流のテーマから…(聞き手は筆者)。



*        *        *        *



——初めに国際物流・サプライチェーン効率化のテーマについて、輸出入の流れを円

滑化する貿易手続きや制度については、その後いかがでしょうか。



高橋課長  内閣官房が取りまとめる貿易手続き改革プログラムのフォローアップ会

合が09年も8月に行われましたが、港湾手続の効率化等港湾サービスの高度化は順

調に進捗しています。08年10月に稼働したシングルウィンドウに09年10月、港湾管理者

の手続を追加して輸出入・港湾関連手続の電子化・一元化を推進するとともに、さらな

る利便性の向上を図りました。

また2010年2月を目途に、航空貨物を処理するNACCSを更改し、空港の入出港手続

もシングルウィンドウ化します。今後もNACCSと民間の物流関連システムを連携して

国際物流の「中核となる基幹システム」を構築し、合わせて電子手続のあり方等につい

て継続的に検討していきます。中長期的課題としては、植物・動物検疫システムとの統

合も検討中です。

セキュリティの高度化のため輸出入手続・検査が煩雑化している保税通関制度と、物

流効率化を両立させるためのAEO制度(コンプライアンスに優れた事業者は保税地域

搬入前に輸出申請できる)も、着々と整備されています。しかし荷主企業からはAEOの

メリットをもっと明確化してほしいとの要望があるので、他国とのAEO国際相互承認の

推進などに力を入れて行きます。




——08年10月からはニュージーランドとの相互承認が実施されましたが、その他につ

いては…。



高橋課長
  米国とも09年6月に合意し、ただちに実施しました。続いてEU諸国との間

でも交渉を継続しています。

とくに諸外国に生産・物流拠点を展開する民間企業からは、各国のAEO制度にバラつ

きがあるので使いにくい、できれば統一してほしいとの要望があります。世界標準がで

きれば理想ですが、厳しい制度を持つ米国他の先進国に対し、発展途上国にはまだそ

うした意識が薄く、まとめるには時間がかかりそうです。




——国際物流効率化に対する経済産業省のスタンスは、国土交通省の所管する物流

事業者からみた「荷主企業」の、国際競争力を強化することにあるわけですね。



高橋課長
  ええ、私どもでは物流大綱にもある通り、アジアを初め世界各地に海外展

開する製造業・流通業の「グローバル・サプライチェーンを支える物流」の効率化を推進

することを第一のテーマと考えています。それがわが国産業界の国際競争力強化、成

長に直結するからです。中でも中国を核とするアジアは、製造拠点としての位置付けか

ら、市場としての存在感を増していますね。

荷主企業にとって物流はコストの費目になるので、モードごとの適正なコストは侵さな

い範囲で、できるだけ低減し効率化する必要があります。中でも税関や各地の港湾・空

港などにおける手続きや取扱の非効率性のために、工場に届くまで何日もかかるよう

では、いたずらに時間と在庫コストがかかる。そのため今触れた国内の手続効率化だ

けでなく、相手国でも貿易手続き改善が進むよう呼びかける必要があります。




 
(次回につづく)





 




月刊マテリアルフロー 編集長

菊田一郎



 

 


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