流通研究社の物流ポータルサイト□□Logistics System Station□□

WWW を検索 LSSサイト内を検索
TOP > コラム > アジア・日中に焦点、経産省の物流政策展望(4)



10/01/26(306)

Column 「ちょっとマテフロ」



サプライチェーン高度化で日本の競争力向上!

その4/アジア・日中に焦点、経産省の物流政策展望


 月刊「マテリアルフロー」新年号の物流政策展望からお送りしてきた、経産省・高橋課

長インタビューの要点録。最終回は、今年の世界的課題である環境問題。低炭素化に

向けて物流・流通分野でどんな施策対応が可能なのか…。(聞き手は筆者)



◆物流の低炭素化に向け、抜本的な施策も



——次に、これからの大きなテーマである物流の環境負荷低減、低炭素化については

いかがでしょうか。



高橋課長  低炭素化についてはこれまでも様々な施策に取り組んできており、物流

部門については他の部門に比べてそれほどCO2排出量は増えていないのですが、鳩

山総理の打ち出した「2020年に90年比で25%削減」という目標実現のためには、従来の

積み重ねだけでなく、抜本的な対策が必要になります。

では何にどう取り組むか。これについては国交省と一緒にこれから議論を進めようとし

ているところで、まだ現時点で言えることは多くありません。その中で、従来から継続し

ている「グリーン物流パートナーシップ会議」を拡充する方向性が国交省から出ており、

これは推進することになるだろうと思います。



——総合物流施策推進プログラムでも、「モーダルシフトを含めた輸送の効率化」の一

項目として、荷主と物流事業者が連携して進めるグリーン物流パートナーシップ会議の

活用を挙げています。09年末までに、新政権の事業仕分けにより予算配分の見直しが

行われましたが、低炭素化に向けた施策については優先されるでしょうか。


高橋課長
  グリーン物流パートナーシップ会議についてはエネルギー関連予算から

配分されており、効果の期待できる補助事業はしっかりやりたいと考えています。

ただ抜本的な施策を考えるとすれば、予算手立てだけで十分とは言えません。荷主と

物流事業者が低炭素活動に向けて今以上に取り組みやすい仕組みが考えられない

か、そのためにはどんな手段があるか、国交省と連携して考えて行きたいと思います。



——昨年もお話のあったカーボン・フットプリント制度は、既に動き出していますね。総合

物流施策推進プログラムの「社会全体での物流の低炭素化の推進」の項目にも挙げら

れています。


高橋課長
  カーボン・フットプリントについては、小売販売される商品ごとに、生産・物

流・小売を含むグローバル・サプライチェーン全体での排出量を算定するルールとその

JIS化が進みつつあります。ただ産業分野ごとに横串で見て、物流部門全体のカーボ

ン・フットプリントを算定する、というルールはまだできていません。またエネルギー使用

量の算定については省エネ法関連でルールができていますが、CO2排出量については

まだです。

これらについても、基本的に国は押し付けるのでなく認証する立場で、それぞれの事業

者、物流団体がルールを作ろうと発意しなければできません。産業界の取り組みを何ら

かしら後押しすることも考えていきたいです。



——(中略)最後に、2010年の流通・物流施策推進に向けた展望、抱負をお願いします。


高橋課長  何はともあれ、景気を何とかしたいというのが正直なところです。国家戦

略担当の菅直人副総理も、経済成長戦略を描く必要を強調しておられる通りです。

物流は日本経済、成長を支える存在です。物流・サプライチェーンが効率化できれば、

日本企業の競争力が上がる。サプライチェーンの流れの支障にならない、逆に競争力

を付与するような物流にしていきたい。そのため、国交省は物流産業自体の成長を図

り、私ども経産省は製造・流通の荷主企業の成長を支援していくなど、物流施策大綱を

ベースに関連省庁が協調し、しっかり取り組んでいく必要があると思います。

日本経済全体を支える、これらの企業の国際競争力を高めるようなサプライチェーンを

確立するために、新年も流通・物流の効率化、整備に取り組んでいきたいと思います。




 
(シリーズ終わり)





 




月刊マテリアルフロー 編集長

菊田一郎



 

 


バックナンバー

>>最新号 >>2009年 >>2008年 >>2007年

ご意見・ご感想

ご意見・ご感想はこちらからお願いいたします。

お問い合わせ