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「最強の物流センター長」を育てる(4)
10/04/27(319)
Column 「ちょっとマテフロ」
「最強の物流センター長」を育てる
その4
/ハマキョウレックスの人材育成現場から
月刊「マテリアルフロー」4月号「物流現場プロフェッショナル~センター長を育てる」
の特集から、ハマキョウのセンター長業務の徹底ぶりと育成法を立ち読み。最後に「も
うひとつのセンター長の役割」に触れてみます。
◆下からデータが湧きあがる
前回紹介した「日計収支表」は、「コストをつかむためにコストをかける」のではなく、
日割・按分等を多用した概算として計上しています。それでも日々、項目別に計上する
ことで、何か問題があれば翌日にはピンポイントでそれは何かが明らかに「見える化」
でき、ただちに手が打てるのです。
これは大須賀会長が若き日の失敗の中で、「絶対損をしない管理の仕組み」としても
がきながら作り上げた工夫。高価な管理ソフトなど何も使わず、エクセルだけ。
ただしこれほど細かい報告を毎日、上から無理やり吸い上げるのでは現場が持たな
いでしょう。そうでなく、ハマキョウでは社員・パート作業者を含む全員一人一人がこれ
ら項目のコスト意識を持ち、やらされるのでなく、必要と思うから記録しています。それ
らの情報もすべて公開し共有するのです。
「上から吸い上げる」のでなく、「下から湧き上がる」仕組み・社風・モチベーションが確
立されているから、初めて補足可能になるものだと、筆者は考えています。トヨタ生産
方式と同様、簡単に真似できるものではないかも知れません。
*
「この日計収支を本社では全経営陣が毎日チェックしています。何か気になる点があ
ると、すぐにここはどうなっているのか、こうした方がいいのではないかとアドバイスを
受けます」と有賀次長。「ただ弊社のセンター長はみなしっかり管理しているので、大き
な問題はまずありません」
中迫センター長も「社長始め役員から見逃していた問題点や説明不足を指摘される
こともあり、勉強させてもらっています」と話していました。
◆アコーディオン方式
ハマキョウの物流センター運営のもう1つの特長は、「アコーディオン方式」の人員配
置にあります。今ではかなり知られるようになっていますが、これは「仕事量に合わせ
た最適な人数にアコーディオンのように調節する」仕組みのこと。
センターの顧客からの明日の出荷情報は顧客により違いますが、多くは前日15時から
17時ころに確定します。予め過去データから予測した計画が大きく狂うことはないので
すが、当日夕刻、確定情報をもとに明日の人数の微調整をかけるのです。
少しでも余剰人数があれば、赤字の原因となり、日計収支に即反映されてしまいま
す。その可能性を予め排除するため、「各部門の責任者がパートさんに電話し、調整
をかけます。季節・週間波動のほか、当日になって数量が変わることもありますが、藤
沢では3つのセンター間で連携しているので人数を融通してコントロール」(中迫氏)し
ているのです。
◆周辺地域との融和
藤沢センターは住宅地と縁を接しています。騒音などには十分配慮していますが、
車両の出入りなどで地域に影響を与える面はあるでしょう。
そこで地域住民との融和のため、本センターの敷地内の一角には誰でも犬の散歩を
させられる「ドッグランド」を設置していました。
さらに毎年夏には、センターの大きな庇下のスペースで「納涼祭」を開催。地域住民
を招待し、センター長以下従業員が総出で屋台の出店に立ち、飲食物をふるまうそう
です。こうした配慮も、センター長のもう一つの重要な役割なのです。
*
最後に今後の展望を問うと、有賀次長は「お客様にとって、“ハマキョウに任せてい
れば”安心と言われるオールマイティなセンター作りをしていきたいですね」とコメント。
「ナンバーワンというのでなく、オンリーワンとして。そのためには日々、基本にしっか
り取り組むことだと思います」
また中迫センター長は、「まだ着任2年でセンター長の役割を完全にはできていない
と思うので、日々勉強・日々精進です。しかし任された以上センターのすべてを理解
し、情報を収集して変化を捉え、今日を明日の改善につなげていきたい」と続けます。
「お客様の要望に応えられるよう、全員参加でスピード感をもって努力を続けると同時
に、従業員に不安や不満がないよう、責任感をもってセンターをより良くしていきたいと
思います」
その決意と覚悟がある限り“最強の物流センター長”は陸続と育ち、ハマキョウの躍
進は続くに違いありません。
(シリーズ終わり)
月刊マテリアルフロー 編集長
菊田一郎
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