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間違いだらけの物流コスト管理(3)
Column
「
ちょっとマテフロ
」
間違いだらけの物流コスト管理
3/荷の価値を考えない物流は“船方”“馬方”か
本サイトのリニューアル以後、各コーナーの中身やバックナンバーなど、一部の更新がなかなか進まずご迷惑をおかけしています。少しずつ公開していきますので、今しばしのご辛抱とご支援をどうか、よろしくお願いします。
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さて、前回見たように、一般企業では今月仕入れた品物を1か月後に売っても・2か月後に売っても、利幅が同じなら利益率に変化があるとは通常、考えられていません。在庫期間の長さ=時間は、管理会計において直接は考慮されないからです。
これに対し金融機関はもともと、「利回り」と言うコンセプトで時間を管理するビジネスを展開しています。借り手の民間企業は資金調達コストを常に意識し、 その数十倍の粗利を稼ぐようにしなければ、減価償却費や諸経費を差し引いた後の利益を確保できない立場にあります。
それでも在庫金額を把握し、その削減に取り組むような物流管理部門を持つ会社は少ないようです。限られた物流予算の中で、個々の荷の価格を把握し、たとえ ば高価な荷は時間ミニマム・リードタイム優先で先に運び、安い荷はコストミニマム・運賃優先で運ぶという合理的な物流を目指す……といったきめ細かい管理 は、なかなか実現されていないのが実態です。
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物流業者をはじめ、荷主企業の物流担当者も、関心を持つのは正直、「運賃」のことばかり。21世紀の今日でも「賃仕事」で通っている現実をさして、「昔の船方・馬方のままだ」などと自虐的な見方をする物流関係者まであるとか。
「物流とは単に顧客の荷物を預かり、これを運んで運賃を頂くのではなく、これを一旦買い入れて、商品にふさわしい届け方をして先方に売り、利益を出す…… そんな貿易商人の発想が必要なんです。それで初めて物流オペレーションの評価ができる」とJコスト論の提唱者、田中氏は主張しています。
物流現場では運賃しか念頭にないから、荷の価値に無関心で、荷主企業の物流担当者でさえ会社の資産を寝かせているという意識はなく、空コンテナも実コンテナも同じ扱いをする……という事態が招来されているわけです。
考えを重ねるほど、やはり「100万円の商品を1日余分に寝かせたら、会社は幾ら損したことになるのか」をハッキリさせる理論を見つけない限り、物流の問題は解決できないという現実に、田中氏は思い当たります。
ところが文献を調べても、それを表す考え方も、数式も見つからない。ならば「ないものは作るのがトヨタ流」、とばかりに田中氏は腹を決めたようです。
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「たとえば社員は電車で移動するけれど、社長は車や自家用飛行機で移動する。前者にはコストミニマム、後者には時間ミニマムが求められるからです。とすれば、そこに“連続関数”“依存式”が見出せるのではないか——そう考えたんです」
こうして田中氏は、トヨタの物流管理部長時代に直面したこのテーマに自ら挑むことを決意、在職中は研究途上だったのでトヨタ首脳陣の理解を得るまでには至 らなかったものの、基本構想を確立。01年にトヨタも設立に協力した、ものつくり大学に出向し教授となって以後、さらに研究を続けました。
そして03年には初めての論文「時間軸を入れた収益性評価法の一考察—Jコスト論—」をまとめ、IEレビュー誌(日本IE協会,Vol.45 No.12004.3)に発表。これが同協会のIE文献賞を受賞し、徐々にその存在が知られるようになっていきました。
(次回からJコスト論の要点を紹介します;つづく)
月刊マテリアルフロー 編集長
菊田一郎
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