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東レ、炭素繊維「トレカ」使用で高性能・薄型・軽量の電波吸収パネル開発



東レ(株)はこのたび、炭素繊維「トレカ」を使用した高性能で薄型・軽量な電波吸収パネルの開発に成功した。

新商品は、無線情報通信における電波障害を解消し通信の安定性を高めるとして、物流施設などで利用されているRFIDシステム向けに販売を開始するほか、一般家庭、公共施設、工場など、無線情報通信が使用されるあらゆる場面に向けて展開していく。

本パネルは、UHF帯やマイクロ波帯域の高周波電波を97%以上吸収するという従来品同等以上の高い性能を持ちながら、厚み、重量を約半分にすることに成功している。運搬や設置が容易にできるほか、設置スペースも少なくてすむ。

本パネルは、電波吸収層において、炭素繊維の形態及び分散状態を最適に制御することにより、極めて高い誘電率を実現したもの。誘電率とは、電波によって物質中に電気的なかたよりが生ずる度合いを示す物理量であり、誘電率が高い物質中では、電気的かたよりの作用によって電波の波長が短くなる。本パネルでは、電波吸収層で波長が大幅に短くされることにより、より薄い電波透過層で位相を反転させ、相殺による電波吸収を生じさせることに成功した。

また、炭素繊維の分散状態や電波透過層の厚さを調整することで、RFIDシステムで使用される周波数950MHz(UHF帯域)の電波だけでなく、より高周波の電波を吸収することが可能で、無線LAN(2.4GHz、5.2GHz)や、ETC(5.8GHz)など、幅広い分野への適応が期待できる。

RFIDは、リーダ/ライタと呼ばれるアンテナとRFタグにより、人や物品を識別・管理する、非接触式の情報認識技術であり、そのシステムは、製造、物流、小売、交通、セキュリティなど幅広い分野で爆発的な普及が見込まれている。しかし一方、その利用環境下においては、各アンテナ間の電波干渉や壁からの反射電波による通信不良が発生しており、対策が急務となっている。

本パネルは、このような問題を解決する手段として極めて有効であり、具体的には、システム領域内に本パネルを適宜設置することで、不要電波を吸収・減衰させ、安定した通信を確保することが可能となる。

ユビキタスネットワーク社会構築に向けた無線通信システムの急速な普及により、さまざまな周波数の電波が生活空間に溢れ、さまざまな問題(無線機器の通信不良、精密機器の誤作動、情報の漏洩・改ざん、など)が顕在化している。東レは、本パネルを無線情報通信が行われるあらゆる分野で展開し、安定的な通信環境を支え、ユビキタスネットワーク社会の実現に貢献していくとしている。