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富士経済、産業用・民生用ロボットの市場調査結果を発表



(株)富士経済は6月から8月にかけて、日本、アジア、米州、欧州の世界4大市場の産業用ロボットおよび国内市場の業務・民生用ロボットなどを調査した。同社は結果を報告書「2008 ワールドワイドFAロボット/RT 関連市場の現状と将来展望」にまとめた。

25回目を迎える今回の調査は、産業用ロボットに関連する自動化システムを構築するSIer(システムインテグレーター)主要15社の企業プロフィールや工程自動化取り組み・ロボットメーカーとの連携に注目し、その現状と将来展望を明らかにすることにも取り組んだ。

●組立・搬送ロボットの世界市場動向
07年 1,324億円(前年比114.8%)  2011年予測 2,116億円 (07年比159.8%)

組立・搬送ロボット市場は、11年にかけて産業用ロボット市場全体の伸び(07年比136.1%)を上回る成長を遂げると予測する。産業用ロボット全体に占める組立・搬送ロボットのウェイト(金額ベース)も07年に31.1%であるのに対し、11年には36.5%に高まると予測する。

 需要が本格化している自動車や電機・電子以外の食品、医薬、化学、物流、産業機械、制御機器などの分野では、これまで潜在的な需要がありながらも、複雑なロボットシステムへの生産技術側の対応や、段取り替えへの対応、コスト高などを理由に採用は一部に留まっていた。一方、ロボットビジョンシステム*は、専門知識が必要で扱える技術者が限られる、性能保証がしにくい、高価であるなどの理由から一部ユーザーの採用に留まっていた。近年は、ロボットビジョンシステムの条件出し作業の緩和や認識能力の向上、ロボットコントローラ上での簡易設定が可能となったこと、低価格化が進んだことなどを背景に、採用のハードルが下がってきた。組立・搬送ロボットにロボットビジョンシステムを搭載すれば、精密位置決めが不要になる(配膳/位置決めなどの工程削減)、搬送、仕分け、梱包が混流ラインで可能になるなど、多品種少量生産向けのフレキシブルな自動化ラインが安価に構築できるようになってきている。製造現場では、人件費の削減、生産効率向上、品質追及が恒久的なテーマとなっており、特に対応が遅れている組立・搬送工程にロボットビジョンシステムと組み合わせたロボットの導入が進むと予測する。


●パワーアシストスーツ(業務・民生用ロボット)の国内市場動向

08年 5億円見込み  2011年の国内市場予測 45億円(08年比9倍)

 パワーアシストスーツは、ボディースーツのように着用し、電動アクチュエータや人工筋肉などによって手足の動きを補助する装着型ロボットである。高齢者や障害者などの低下した運動能力をアシストして、健常者並みの動作を可能にする。08年に市場が立ち上がり、09年以降、市場拡大が予想される。
 筑波大学発のベンチャー企業・サイバーダインは「HAL」を生産、08年10月より販売を開始した。随意的制御と自立的制御の2つのシステムを組み合わせて使用者の動作負担を軽減する。まずはリハビリや福祉・介護用途での展開となるが、将来的には労働分野への展開も想定している。
 パナソニックの社内ベンチャー企業、アクティブリンクは、年内のテスト販売開始を見込んで半身麻痺障害者や高齢者のリハビリや自立支援を目的としたパワーアシストスーツの研究開発を進めている。
 本田技研工業は、脚力が低下した高齢者の歩行をサポートする「歩行アシスト」装置の開発を進めている。同社がヒューマノイドロボット「ASIMO」の開発で人間の歩行について研究してきた中で生まれた技術を採用している。トヨタ自動車でも自社工場内の作業アシスト用途や、リハビリ・介護用途での研究開発を進めている。
 患者が装着するリハビリや自立支援用途の場合、歩けなかった人が歩けたりと、ユーザーが価値を見出しやすく、市場拡大が有望視される。また労働分野でも労働人口の減少が現実的な問題となる中で、市場性は高いと見る。