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産総研、廃熱回収の道を開く高効率な熱電発電技術を開発



(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の産業技術研究助成事業の一環として、(独)産業技術総合研究所の主任研究員、舟橋良次氏は、熱交換可能な酸化物熱電モジュールの開発をした。

これまで、熱電発電モジュールに用いられていたドーナツ型またはアーチ型素子は、熱交換性が悪く電力の低下が課題だった。これを解決するためにこれまでに開発した平板型モジュール技術を用いた、熱交換性と耐久性に優れる六角形のパイプ型モジュールを作製し、高温側に窒化アルミニウムを材料とするフィンを取り付け、効率よく熱回収できるようにした。30回以上のガス燃焼実験によっても発電性能は劣化せず、耐久性にも優れている。

給湯器の給湯機能に加え、同時に発電および加熱蒸気の発生を付加でき、単なる湯沸かし器が「トリジェネレーションシステム」へと多機能化される。電力不要であり、有害な排気ガスも発生しない。また、天然ガスの燃焼によって得られる高温エネルギーを徹底的に3段階で利用するので高い省エネルギー効果が期待できる。

火力発電、廃棄物炉などでは、莫大な廃熱の約3分の2は利用されずに捨てられている。こうした廃熱を直接電気に変換できる熱電発電は、エネルギーの有効利用と環境負荷の低減という観点から大きな期待が寄せられている。しかし、従来の熱電発電用に開発されてきた材料の多くは毒性元素や稀少元素を含むこと、耐久性、対酸化性に乏しく、実用化が困難だった。これらの問題の解決可能な材料として、酸化物熱電材料が注目されている。

同研究では現在、世界最高の変換効率を持つコバルト系酸化物熱電材料を用いて、実用可能な発電モジュールを開発した。さらにシステムの低コスト化、高耐久性による高い投資回収とエネルギー回収性を実現するとともに、従来の熱機関に新しい価値創造(付加価値)も目指して研究を行い、当初の目的をほぼ達成している。

このモジュールを給湯器へ導入することで、熱電発電による電気が得られるほか、過熱蒸気が得られ、スチームオーブン等にも利用できる「トリジェネレーションシステム」が得られる。また、点火時などに必要だった電力が不要となるため、自立型機器が、実現可能となる。

今後はベンチャー創業による実用化、事業化を目ざす。本研究での製造技術を核として、廃棄物炉、ガス機器メーカー等と連携し、推進している。また、工業炉や自動車へと需要範囲を広げていきたいとしている。

▼問い合わせ先

(独)産業技術総合研究所 ナノテクノロジー研究部門 舟橋良次主任研究員
TEL:072-751-9485  FAX:072-751-9622
研究室HP: http://staff.aist.go.jp/funahashi-r/