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産総研、二酸化炭素吸着性能に優れた無機多孔質材を開発
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産総研、二酸化炭素吸着性能に優れた無機多孔質材を開発
(独)産業技術総合研究所では、大気圧以上の圧力領域で大容量の二酸化炭素の吸脱着が可能な高性能無機系吸着材を開発した。
従来、圧力スイング吸着法による二酸化炭素の回収・分離材としては、ゼオライト13Xが用いられている。しかし、ゼオライト系吸着材による二酸化炭素の吸脱着では、真空から大気圧までの圧力領域における吸着量が多く、脱着(放出)させるには再度真空近くまでの減圧が必要であるため、かなりのエネルギーを消費している。そのため、大気圧以上で多量の二酸化炭素の吸着と脱着の両方が可能な吸着材が求められていた。
今回、安価な工業用原料から穏和な条件で合成できる方法を見いだし、大量生産が可能で、部分的にイモゴライト構造をもつ非晶質アルミニウムケイ酸からなる無機系二酸化炭素吸着材を開発した。
この吸着材は、大気圧以上の圧力で10wt%(重量%)以上の可逆的な二酸化炭素の吸脱着が、繰り返し可能。300℃程度の耐熱性をもち、大気圧に戻すだけで吸着した二酸化炭素を脱着し、再生が可能となる。そのため、二酸化炭素回収・分離に用いることで、二酸化炭素回収の省エネルギー効果が期待される。
地球温暖化が地球規模での問題となり、二酸化炭素の回収法や処理法・利用法の開発が、急務となっている。回収した二酸化炭素の利用法についての研究が各分野で多数進められているが、大気中からの二酸化炭素回収は国や企業に定められた排出枠には計上されない。そのため、火力発電所や製鉄所など二酸化炭素の排出量が多い事業所をはじめ各方面で、高効率かつ低コストで経済活動によって排出された二酸化炭素を回収できる吸着材が求められている。
これまで、大規模な鉱工業活動による大容量の排出に適した回収システムとして、アミン系の吸収材を用いるアミン法が検討されているが、メンテナンスや中・小規模での採算性が悪いといった問題がある。そのため簡単に二酸化炭素の吸脱着が可能な圧力スイング吸着法(PSA)が検討されてきているが、ゼオライト系吸着材では、効率的な吸脱着を行う上で脱着時に真空まで減圧しなければならずコスト高につながるため、大気圧以上での吸脱着が多い、すなわち低エネルギーで再生できる二酸化炭素吸着材が求められていた。
産総研は、多孔質材料による吸着材の開発を進め、天然の土壌中に存在するナノチューブ状のケイ酸塩であるイモゴライトに着目し、その水蒸気吸着性能について調べるとともに、大量合成法の検討を行ってきた。さらに、部分的にイモゴライトの構造をもつアルミニウムケイ酸塩の大量合成法の開発とともに、二酸化炭素など水とは異なり極性の弱い物質の吸着についての研究を進めてきた。
今後の予定として、今回開発した高性能二酸化炭素吸着材のPSA材料としての適性を検討するとともに、吸脱着を行う圧力範囲、共存ガスの吸着選択性や性能への影響などについて研究を行う。また、今回開発した二酸化炭素吸着材は、大気圧以上の圧力範囲でも吸脱着が可能という特徴的な吸着性能をもつので、新規用途の開発を目指した研究も進めていくとしている。
▼問い合わせ先
(独)産業技術総合研究所 広報部
広報業務室 山口絹代 〒305-8568 茨城県つくば市梅園1-1-1 中央第2
つくば本部・情報技術共同研究棟8F
TEL:029-862-6216 FAX:029-862-6212 E-mail:presec@m.aist.go.jp
▼詳細はこちら
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2008/pr20081204/pr20081204.html
開発した高性能無機系二酸化炭素吸着材
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