流通研究社の物流ポータルサイト□□Logistics System Station□□
TOP > 新着情報 > 清水建設、製造業の生産施設対象の停電リスク診断システムを開発


新着情報


清水建設、製造業の生産施設対象の停電リスク診断システム開発



清水建設(株)はこのほど、製造業の生産施設などを対象にした「停電リスク診断システム」を開発・実用化した。

同システムは、自然災害などに起因する停電の発生リスクや被害の大きさ、また停電対策などを総合診断することが可能で、今後同社は、このシステムを積極的に活用し、顧客企業の生産活動に貢献することで、工事受注に繋げていく計画だ。

近年、電子部品などの製造設備が高度化する一方、地球温暖化の影響と見られる落雷など自然災害の増加により、生産施設の停電被害が拡大しつつある。停電には瞬時電圧低下いわゆる「瞬低」から数分程度の「短時間停電」、数時間から数日間の「長時間停電」まであり、ひとたび停電が発生すると施設に被害をもたらすだけでなく、製品不良や歩留まり率の低下など、生産活動自体にも深刻な影響を及ぼす。

今回開発・実用化したシステムは、市販レベルのPCを使い、自然災害などに起因する停電の予想発生回数、施設や生産活動に生ずる被害額などを、短時間のうちに定量的に診断できるシステムとなっている。具体的な停電対策の方法をメニュー化しており、対策コストや費用対効果を把握することも可能。これまで瞬低を含む停電リスクを、このように多様な角度から総合的に診断できるツールは、なかった。

同システムの構成は、3つのサブシステム、「停電リスク予測システム」、「被害額予測システム」及び「対策診断システム」から成っている。

「停電リスク予測システム」
診断対象の施設がリスクとして抱える、停電発生回数や停電時間などを予測するサブシステム。入力項目は、施設所在地や受電方式、また耐用年数など。システム内部に、自然災害に関する複数の公的データベースすなわち経済産業省による「電気保安統計」、気象庁による「警報・注意報統計データ」、及びフランクリンジャパン社「落雷発生日数データ」などを組み込んでおり、これらの内蔵データベースを駆使し、自然災害リスクを分析・予測するもの。

「被害額予測システム」
施設自体の被害額や製品不良による損失額、事業機会損失額などを予測するサブシステム。生産品の種類や年間生産額、年間稼働日数を入力し、複数の被害要因から被害額を予測する。予測手法としては、「ビジネスインパクト分析」と呼ばれる分析手法を使用。この手法は主に金融分野などで、所定の原因を想定しその原因が事業に与える影響を分析する手法。

「対策診断システム」
対策選定のための対策コストやリスク低減効果を診断するサブシステム。非常用自家発電設備や無停電電源装置の設置など、必要条件に応じた対策がメニュー化されている。

同社は本システムの開発に取り組み、瞬低を含む停電BCP(事業継続計画)という新たな領域を開拓した。今後もBCP領域の拡大に取り組み、顧客企業や社会へ貢献するとしている。